2019年2月20日(水)

中国、成長減速 識者の見方

中国・台湾
2019/1/21 18:54
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中国の2018年の実質経済成長率が前年比6.6%と28年ぶりの低水準となった。その要因と今後の見通しを専門家に聞いた。

引き締め政策 減速に響く

神戸大学教授 梶谷懐氏

神戸大学教授 梶谷懐氏

梶谷懐・神戸大学教授 2018年の中国経済の成長減速は、政府による景気刺激策の引き締めが響いた。地方政府などによる公共事業の抑制や、銀行を介さずに資金を融通する「影の銀行」の規制強化などだ。

米中貿易摩擦の影響で米国向け輸出が減っている。先行きが見えないため一部企業は設備投資を手控えた。製造業関連では18年11~12月ごろから需要悪化が顕在化した。スマートフォン(スマホ)関連や自動車、工作機械などだ。卸売物価を示す生産者物価指数は18年12月が0.9%増と、かなり低い数字にとどまった。

ネット通販など個人消費はなお堅調だが、やはり規制が響いている。ネットを介し個人がお金をやり取りする「ピア・ツー・ピア金融」では無秩序に参入する企業が増えたので規制を強化した。

19年は中国政府が公共事業や金融緩和などの刺激策を強化すれば、回復が見込める可能性がある。日本の消費税に相当する増値税の減税などだ。ただ貿易摩擦の影響がより顕在化するとみる。19年の成長率は6%台は維持できるだろうが、18年から0・数ポイント下がるだろう。

「大盤振る舞い」 考えがたい

みずほ総合研究所主任研究員 三浦祐介氏 

みずほ総合研究所主任研究員 三浦祐介氏 

三浦祐介・みずほ総合研究所主任研究員 個人消費でみると映画観賞やジム通いといったサービス消費が好調な一方で、自動車やスマホの購入は伸び悩んだもようだ。また詳細な統計はまだ手に入っていないが、公務員の給与など政府最終消費支出も減速しているのではないかとみている。

米国との関税のかけ合いによって輸出も減速した。ただ現時点では民間の設備投資にはまだそれほど影響が出ていないようだ。生産性の改善といった工場の高度化に関わる投資は堅調だ。

2019年の国内総生産(GDP)は6.2%の成長と予想している。米国との貿易戦争の影響がより顕著になり輸出を押し下げるだろう。また今後は輸出減を端緒に、企業の投資意欲や個人消費マインドが冷え込む事態が考えられる。

中国政府も企業や個人の減税策を拡大したり、インフラ投資を増やしたりして対策をとる。ただし大盤振る舞いの財政出動は考えにくい。現状の財政状況に見合った景気刺激策にとどまるとみているからだ。

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