独CSU党首にゼーダー氏 党勢回復の道険しく
【ベルリン=石川潤】独メルケル政権の与党の一角であるキリスト教社会同盟(CSU)は19日に党大会を開き、新しい党首にバイエルン州の州首相を務めるゼーダー氏を選出した。前党首のゼーホーファー内相は2018年10月の州議会選挙での敗北の責任をとって退任した。ただ、ゼーダー氏も選挙敗北の責任者の一人とされるだけに、党首交代が党勢の回復につながるかは不透明だ。

CSUはバイエルン州を地盤とする地方政党で、最大与党のキリスト教民主同盟(CDU)の姉妹政党。前党首のゼーホーファー氏は極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」に対抗するため、自ら反移民を唱え、CDUのメルケル首相と激しく対立した。
だが、政権の内部対立への批判が高まり、CSUは10月の選挙で単独過半数を失った。極右政党への票の流出を止められなかっただけでなく、党の右傾化を嫌気した穏健な支持層の票が緑の党に大量に流れた。
メルケル政権にとって、安定して政権を運営していくためにはCSUとの協調が不可欠だ。CSUも当面、CDUとの関係修復に取り込むとみられる。ただ、ゼーダー氏も反移民、反メルケル路線の先頭に立ってきた経緯があるだけに、両党の協調がどこまで続くか危ぶむ向きもある。