2019年7月18日(木)

仮想通貨 しくじり芸人たちの告白
仮想通貨のミライ(1)

仮想通貨のミライ
(3/4ページ)
2019/1/28 2:00
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■便乗アイドル

仮想通貨少女にはそれぞれ担当のコインがある

仮想通貨少女にはそれぞれ担当のコインがある

仮想通貨バブルは社会現象になった点でも平成の金融史に名を刻んだ。仮想通貨の特徴は世界中で一斉に普及したことにある。便乗したビジネスも国内にとどまらず、グローバルを意識したものが出て来た。

「だっておもしろくないですか(笑)。世界巻き込めるなって。あんま日本考えて無くて、世界にアプローチできるなって。タイミングをずっと伺っていた」。見た目30代半ば、男性プロデューサー、3104(サトシ、年齢非公開)は18年1月に結成したアイドルグループ「仮想通貨少女」の仕掛け人だ。

声をかけられた1人が上川湖遥(こはる)(18)。「仮想通貨という名前も知らない状態だったので、何が何だかわかりませんでした。マスクを付けてメイド服を渡されて戦隊ヒーローみたいに何かと戦うのかなぁって」

「仮想通貨少女」は、仮想通貨を擬人化したアイドル少女。それぞれビットコインやモナ、リップルといった仮想通貨名を割り振られた。結成のわずか1週間前のことだった。

■CNNも取材

2018年2月に東京・南青山で行われたコインチェックユーザー向けのライブの様子

2018年2月に東京・南青山で行われたコインチェックユーザー向けのライブの様子

世界進出構想の出足はよかった。流出事故の2週間前、1月12日のお披露目ライブに米CNNや英BBCなど海外メディアが押し寄せたからだ。3104も「今回もコインチェック事件がなかったら、どうなっていたかわからなかった」と振り返るほど、当時の仮想通貨は世界とつながっていた。そんな矢先に流出事故が起きた。上川は流出した仮想通貨ネムの担当だった。がぜん、メディアの注目も高まる。所属事務所に1日100件以上取材依頼が押し寄せた。

■ネム担当の憂鬱

当時、静岡県内の実家暮らしをしながらアイドル活動をしていた上川。「ネム担当」がいなければ取材が成立しないため、親元を離れて東京で寮生活をすることを決意し、高校も転校した。しかし、風向きは次第に逆風に。「コインチェックで盗まれちゃったり、凍結されちゃったりしたユーザーの方から『あなたたちがデビューしたからだ!』みたいなお言葉をいただくこともあって」。世界のアイドルを目指すどころか、コインチェックと同じく世間からバッシングを受けてしまう。

■募金活動で世界へ

上川さんは日本一仮想通貨に詳しい女子高生になることが目標だ

上川さんは日本一仮想通貨に詳しい女子高生になることが目標だ

事件から1年。今では仮想通貨少女の仕事は「ほとんどない」。現在は仮想通貨少女と掛け持ちで参加するグループ「星座百景」が中心だ。仮想通貨少女は世間を騒がせ、多くの投資家を翻弄したコインチェックと同じくしぼんでいったが、上川は「私を変えてくれた、意味のある事件だった」と打ち明ける。

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