2019年7月24日(水)

仮想通貨 しくじり芸人たちの告白
仮想通貨のミライ(1)

仮想通貨のミライ
(2/4ページ)
2019/1/28 2:00
保存
共有
印刷
その他

■欲の化け物に

「NEM(の価格)は上がりきっていなかったので。『これは来るぞ』と」

トキは値上がりしそうな仮想通貨を物色していた。コインチェックは業界最多の品ぞろえ。ブームに乗ってクチコミで広がっていた。「はじめは1万円くらい。遊べるお金を入れてみようという感じ」。そんな気分は始めてすぐに吹っ飛んでしまう。「あれれ、すぐに1.2倍に値上がり、じゃあ、10万円入れてみよう。あれ、2倍になったぞ。右肩上がりだったので、誰にも相談せず、ぶち込みました(苦笑)」

トキの周囲は仮想通貨投資ブームだった。芸人仲間だけではない。営業先に向かうバスの中、遠くに座っていた衣装さんのスマホがちらっと見えた。黄緑色のコインチェックの取引画面だった。「あ、この人らもしてんねやあ、って。仕事が手につかず、欲の化け物になってました」

トキは株も投資信託もFXも手を出したことはない。真性の投資素人だ。「仮想通貨は実際に使えるの、魅力じゃないですか。ビックカメラとか」。特定のお店に限ってだが、モノやサービスを買えるため、「決済もできる投資」と考えれば、株や投資信託よりも手を出しやすかった。心理的なハードルが低かったのだ。

■顔がコインに見える

ビックカメラでは全店でビットコインが利用できる

ビックカメラでは全店でビットコインが利用できる

一方、予想を超える損失を生むリスクがあるのも仮想通貨だ。「和田(晃一良)社長自ら記者会見したので、本当にとられたんだと思いました。一睡もできない状態になりました」。ウイスキーをロックで4杯、日本酒も5合飲んだ。翌朝、予定通り、吉本興業所属の大先輩ハイヒールリンゴが司会する番組に出演した。「生放送の間、リンゴ姉さんがずっとコインに見える謎の現象が発生して……。それくらい追い詰められていたんですね」

ネム流出により、トキの手元に残ったのはわずかばかりの現金と、電子マネーに入った6千円だけだった。

  • 前へ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。