2019年2月18日(月)

中国の軍拡「台湾侵攻を可能に」、米国防情報局が報告書

トランプ政権
中国・台湾
北米
2019/1/16 19:00
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【ワシントン=永沢毅】米国防情報局(DIA)は15日、中国の軍事力に関する報告書を発表した。急速に進む中国・人民解放軍の近代化の主要な要因として、習近平(シー・ジンピン)国家主席がめざす台湾統一があると分析。「台湾への軍事オプションを可能にする」ため最新鋭の兵器の開発・保有を急いでいるとの見方を示し、台湾侵攻への警戒感をあらわにした。

DIAは米国防総省の情報機関で、今回初めて中国軍に関する報告書をまとめたという。これとは別に、同省は中国の軍事動向に関する報告書を毎年、米議会に提出している。

今回の報告書では、将来の統一に向けて独立につながるあらゆる台湾の試みを阻止する中国の野心が「軍の近代化の主要な要因になっている」と指摘。外国軍による台湾への介入を念頭に置いてきた中国は「外国軍の展開を阻止するため、人民解放軍はあらゆる方法を発達させている」との見方を示した。

その一環として、核搭載可能な中長距離弾道ミサイル「東風26」といった最新鋭の兵器の開発を進めていると表明。中国はこうした装備を持つことが「独立勢力の動きの抑止につながると期待している」と分析。同時に「その抑止に失敗したとしても、台湾や第三国の軍への一連の軍事オプションが可能になるとみている」と懸念を示した。

習主席は1月初旬の演説で、台湾政策について平和統一を基本としながらも「外部の干渉や独立勢力に対して武力行使を放棄することはしない。必要な選択肢は留保する」と主張していた。米国を念頭に、台湾への介入をけん制している。

また、報告書は中国の国防費が2018年に総額2000億ドル(約21兆円)を超え、02年から3倍に増えたと推測。19会計年度(18年10月~19年9月)で7170億ドルの米国とはまだ大きな開きがあるものの、中国は研究開発費に多額の投資をする必要がないとの見解を表明した。

その理由として「外国軍からの設備の直接購入や改良、知的財産の窃盗」を進めていると指摘。ミサイル防衛システムでは防げないとされるマッハ5以上の「極超音速」で飛ぶ兵器の開発など一部の分野では米国をしのぐほどで「世界をリードしている」と警戒感を示した。

中国が領有権を主張している沖縄県・尖閣諸島問題にも言及。日本が紛争をエスカレートさせる行動をとったと中国が判断すれば「尖閣周辺に展開する自衛隊への攻撃を正当化することもあり得る」と懸念を示した。

米軍事専門誌ディフェンス・ニュース(電子版)によると、国防情報局高官は15日「台湾に侵攻できる軍事力を備えた」と中国がまもなく確信するかもしれないとの懸念を示し「それが最も心配だ」と記者団に語った。

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