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明治に天理、帝京…大学ラグビー王座交代のドラマ

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2019/1/17 6:30
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最後のスクラムの直前には明大のFW第1列が全員、交代している。「入ってくる選手にもしっかりフィードバックした。ハーフタイムに話した通り、真っすぐしっかり固まって押せばいいと伝えた」と祝原。再確認した形で組むと、押しに出てきた相手のスクラムが崩壊。最後は天理大の落球でノーサイドとなった。

決勝戦の後半、武井のトライに喜ぶ明大の選手たち。打倒帝京を目標にチームを高め、22年ぶりの日本一を手にした

決勝戦の後半、武井のトライに喜ぶ明大の選手たち。打倒帝京を目標にチームを高め、22年ぶりの日本一を手にした

ここ数年、王座奪還を目指す大学が注力してきたのがスクラムだった。連覇を続ける帝京大の数少ない穴だったからだ。今年の準決勝で、天理大が帝京大からスクラムで5つの反則を奪い、快勝したのは象徴的だった。

明大を変えた帝京大の体づくり、組織づくり

決勝で両校が見応えのあるスクラム対決をし、試合全体が名勝負となったのも、目指すべきライバルがいたからといえる。明大の田中澄憲監督が優勝後の記者会見でこう語っている。「目標とするチームがあったからここまで成長できた」

帝京大の9連覇の最大の原動力は鍛え上げた屈強な体だった。科学的なトレーニングに栄養士の指導、血液検査などの医科学的な取り組み……。特に6連覇ごろまでは筋肉のよろいが相手よりも明らかに分厚かった。

おかげで「まずは体づくり」の意識が他校にも浸透。明大、早大などの伝統校も栄養摂取やトレーニングの手法を洗練させていった。

大学ラグビーの「体」の進化は数字に表れている。例えば、大学選手権で4強に入ったチームの先発の平均体重。帝京大が最後に4強を逃した2006年度、FWは96キロ、15人で87キロだった。今年度はそれぞれ102キロ、94キロまで増えている。

王者を支えた2つ目の力が、意思疎通のしやすい組織文化だった。岩出雅之監督が目指したのは「上級生が下級生をサポートするサーバントリーダーシップ(支援型のリーダーシップ)」だ。

そのための仕組みづくりが巧みだった。掃除などの雑用は上級生が行う。「1年生に心の余裕を持たせて、自分づくりに集中してもらうためだった」。練習中に学年ばらばらの3人組をつくり、次のメニューの狙いや注意点を話し合わせるのは「聞く力」を磨く狙いがあった。下級生は伸び伸びと力を発揮し、上級生は若手を支え、導く力を養っていった。その文化を明大の田中監督も「帝京の学生は素晴らしい。主体的に動けてポジティブ」と称賛する。

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