2019年の歌会始の歌

2019/1/16 11:41
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天皇、皇后両陛下や皇族方、召人、選者、入選者の歌は次の通り。

 天皇陛下

贈られしひまはりの種は生え揃ひ葉を広げゆく初夏の光に

 皇后さま

今しばし生きなむと思ふ寂光に園(その)の薔薇(さうび)のみな美しく

 皇太子さま

雲間よりさしたる光に導かれわれ登りゆく金峰(きんぷ)の峰に

 皇太子妃雅子さま

大君と母宮の愛でし御園生(みそのふ)の白樺冴ゆる朝の光に

 秋篠宮さま

山腹の洞穴(どうけつ)深く父宮が指したる先に光苔見つ

 秋篠宮妃紀子さま

日の入(い)らむ水平線の輝きを緑閃光(グリーンフラツシユ)と知る父島の浜に

 秋篠宮家長女眞子さま

日系の百十年の歴史へて笑顔光らせ若人(わかうど)語る

 秋篠宮家次女佳子さま

訪れし冬のリーズの雲光り思ひ出さるるふるさとの空

 常陸宮妃華子さま

つかの間に光る稲妻さ庭辺の樹木の緑を照らしいだし来(く)

 三笠宮家寛仁親王妃信子さま

被災者の苦労話を聴きにける七歳(ななさい)が光れる一語を放つ

 三笠宮家彬子さま

らふそくの光が頼りと友の言ふ北の大地を思ひ夜更けぬ

 高円宮妃久子さま

窓べより光のバトンの射し込みて受くるわれらのひと日始まる

 高円宮家長女承子さま

朝光(あさかげ)にかがやく御苑(みその)の雪景色一人と一匹足跡つづく

 ▽召人(敬称略)

 鷹羽狩行

ひと雨の降りたるのちに風出でて一色(いつしよく)に光る並木通りは

 ▽選者(敬称略)

 篠弘

手づからに刈られし陸稲(をかぼ)の強(こは)き根を語らせたまふ眼差し光る

 三枝昂之

歳歳(さいさい)を歩みつづけて拓く地になほ新しき光あるべし

 永田和宏

白梅にさし添ふ光を詠みし人われのひと世を領してぞひとは

 今野寿美

ひとたびといふともかげりおびてのち光さすとはいひけるものを

 内藤明

日の光人の灯(ともし)に移りゆく川沿ひの道海まで歩む

 ▽入選者(敬称略)

 高知県 奥宮武男

土佐の海ぐいぐい撓ふ竿跳ねてそらに一本釣りの鰹が光る

 山梨県 石原義澄

剪定の済みし葡萄の棚ごとに樹液光りて春めぐり来ぬ

 福島県 逸見征勝

湿原に雲の切れ間は移りきて光りふくらむわたすげの絮

 奈良県 荒木紀子

大の字の交点にまづ点火され光の奔る五山送り火

 栃木県 大貫春江

分離機より光りて落ちる蜂蜜を指にからめて濃度確かむ

 岡山県 秋山美恵子

光てふ名を持つ男の人生を千年のちの生徒に語る

 福岡県 瀬戸口真澄

ぎりぎりに光落とせる会場にボストン帰りの春信を観る

 岡山県 重藤洋子

無言になり原爆資料館を出できたる生徒を夏の光に放つ

 秋田県 鈴木仁

風光る相馬の海に高々と息を合はせて風車を組めり

 山梨県 加賀爪あみ

ペンライトの光の海に飛び込んで私は波の一つのしぶき

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