2019年4月20日(土)

米ロ核協議、溝埋まらず INF条約失効に現実味

2019/1/16 5:33
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【モスクワ=小川知世】トランプ米政権が破棄する方針を示している中距離核戦力(INF)廃棄条約を巡って米ロが15日開いた協議は物別れに終わった。米国が批判するロシアの違反について溝が埋まらなかった。米国は2月に義務履行を停止すると通告しており、米ソ冷戦時代から核軍縮を支えてきた条約の失効が現実味を増してきた。

18年7月の会談後に記者会見するトランプ米大統領(左)とロシアのプーチン大統領(ヘルシンキ)=ロイター

ロシアのリャプコフ外務次官=ロイター

ロシアのリャプコフ外務次官と米国のトンプソン国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)がジュネーブで協議した。タス通信によると、トンプソン氏は協議後に「失望した」「ロシアは違反を続け、履行に向けた計画を説明する気もない」とロシアへの非難を強めた。リャプコフ氏は「米国は条約を破壊するつもりだ」と述べ、協議の継続を提案したが同意が得られなかったと説明した。

米国は2018年12月4日、ロシアが60日以内に条約を順守しなければ義務履行を停止すると「最後通告」を突き付けている。ロシア側が提案した今回の協議はトランプ政権が18年10月に条約破棄の方針を表明して以来、初の米ロ協議となったが、違反を否定するロシアと米国の主張は平行線をたどった。

米ロともにすでにINF条約の失効を前提に動いているフシがある。米国はロシアの違反を条約破棄の理由にしながら、条約に縛られずに核軍拡を進める中国への対抗を意識しているとみられている。

ロシア側も核戦力をてこ入れしており、米国が非難される形でINF条約が消滅するのを前向きに捉えているとの見方がある。ロシア外務省は18日に各国の外交官を集め、条約について立場を説明するとしている。違反を改めて否定し、履行停止に向けた米国の強硬姿勢を印象づける構えだ。

ロシアのショイグ国防相は15日、最新兵器の極超音速ミサイルの「アバンガルド」の「配備を年内に始める」と宣言した。ロシアは米国との軍拡競争の過熱を避けるため、核軍縮の「新たな枠組み」の協議も米国に提案している。威嚇行動により、米ロの対話を求める国際世論を誘発する狙いも透ける。

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