2019年4月25日(木)

英議会、EU離脱案を大差で否決 野党が内閣不信任案

2019/1/16 4:41 (2019/1/16 5:19更新)
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【ロンドン=中島裕介】英議会下院は15日夜(日本時間16日早朝)、欧州連合(EU)と合意したEU離脱案を採決し、反対多数で否決した。与野党双方からの離脱案への反発が収まらず、230票差という大差での歴史的な否決となった。否決の直後、野党第1党の労働党のコービン党首は内閣不信任案を提出した。英国政治の混迷は深まり、EU離脱の行方は一段と不透明になった。

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投票には下院議員650人のうち、伝統的に登院しないシン・フェイン党の7人や議長団などを除いた議員が参加した。投票結果は賛成202票、反対432票となり、政府の離脱案は大差で否決された。

メイ英首相は「議会が離脱案を支持していないことが明らかになったが、それでは何を支持するのかは決まっていない」と、代替案に関して他党とも対話をする方針をにじませた。労働党のコービン党首は「この採決の結果で(政権への不信が)決定的になった」と述べ、メイ政権に対して内閣不信任案を提出すると表明した。

内閣不信任案の採決は16日夜(日本時間17日早朝)に行われる。不信任案が過半数の支持を得れば、メイ政権の退陣や解散・総選挙につながる。3月末にEU離脱が迫るなか、英政局の混迷がさらに深まる可能性がある。

英・EUで合意した離脱案には2020年末までに完全離脱の準備をする「移行期間」を設けることや、離脱にあたり英国がEUに支払う清算金の概要などが盛り込まれている。

離脱時期の3月末までに議会の承認が得られない場合には、英が離脱時期の先送りや離脱の撤回を決断しない限り、経済を混乱させる「合意なき離脱」となる。

離脱案への批判は、唯一の陸続きである英領北アイルランドとEU加盟国アイルランドの国境問題に集中している。離脱案では厳しい国境管理を避ける具体策が見つかるまで、英全土をEUの関税同盟に残すという「安全策」を盛り込んだ。これが「離脱後も永久にEUに縛られ続ける」と猛反発を招いている。

15日、EUとの離脱合意案の採決を終えた英下院の議場=ロイター

15日、EUとの離脱合意案の採決を終えた英下院の議場=ロイター

15日の議会では政府の離脱案の前に強硬離脱派の議員が提案した修正案も採決した。「英国がEUと協議せずに安全策を一方的に打ち切れる条項を加える」案が示されたが否決された。

今回の否決を受けて、メイ英首相は週明けにも議会に代替案を提示する見通しだ。EUとの再協議で譲歩を引き出し、反対派の議員を説得する材料を代替案に盛り込むことも必要になる。

ただ230票の大差で否決されたため、細かい修正だけでは、反対派が多数を占める議会の情勢を変えられない公算が大きい。英議会が承認し「合意なき離脱」を回避する道筋はますます見えなくなってきた。

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