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野球殿堂入りの権藤氏 投手救うカウンセラー

2019/1/15 20:00
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西鉄・稲尾和久投手が、今の先発投手の2年分に当たる404回を投げ、42勝を挙げた1961年、セ・リーグでも大記録が生まれた。中日の新人、権藤博投手は429回3分の1という、2リーグ制後のプロ野球のシーズン最多投球回数をこなした。「9回完投」に換算すると48試合分に迫る回数を投げ、35勝を挙げた。

野球殿堂入りが決まり、あいさつする権藤氏=共同

野球殿堂入りが決まり、あいさつする権藤氏=共同

むちゃくちゃな登板ぶりを表す「権藤、権藤、雨、権藤。雨、雨、権藤、雨、権藤」のフレーズは誇張ともいえず、雨天中止の日以外、毎日出ている印象があったようだ。

権藤さんにとって、同じ九州生まれの稲尾さんはあこがれの存在だった。その大先輩に冠せられた「鉄腕」「神様、仏様、稲尾様」と同じくらい「権藤、権藤……」もはやり言葉となり、昭和の野球を今に伝えている。

さすがに本人は鉄腕とはいかず、登板過多がたたり、実質2年間で全盛期は終わったが、現役時代のインパクトだけでも、殿堂入りを語るに値したのではないか。

引退後、各球団の投手コーチを歴任した。昭和から平成にかけ、権藤さんらスーパーエース頼みの時代から先発、中継ぎ、抑えという分業制へ野球は進化した。その過程で果たした功績も大きい。

自身の痛みの経験から、投手心理の機微がわかる。その教えは野球の指導者というより心理カウンセラーの趣があった。

いわゆる「イニングまたぎ」はなぜ難しいのか。

最初のイニングを、きっちり抑えてしまうと、調子に乗りすぎたり、味方の攻撃中に余計なことを考えたりするから。

打たれた投手をなぜ翌日も投入するのか。

やり返す機会がないと、悶々(もんもん)とするばかりで尾を引くから。

78歳にして、現役コーチとして臨んだワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、中継ぎのスペシャリストを選ぶなど、独自の継投理論の集大成の場となった。

コーチ時代には監督とよくぶつかった。監督のイエスマンであるなら投手コーチは要らないと言い、最後はけんか別れ、ということも。すべては投手の体とプライドを守るためだった。

「私は投手に戦い方を教えている」。指導の根幹は細かい技術ではなく、気持ちのありよう。権藤コーチというセコンドにファイティングスピリットを吹き込まれ、どこか残念なところのあった投手が大変身、マウンドというリングで戦った。殿堂入りはそんな教え子たちからの贈り物ともいえる。(篠山正幸)

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