台湾、蘇首相の新内閣が発足 政権浮揚に不透明感も

2019/1/14 15:53
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【台北=伊原健作】台湾で14日、蘇貞昌・行政院長(首相)をトップとする新内閣が発足した。与党・民主進歩党(民進党)が2018年11月の統一地方選で大敗した責任を取り、前内閣は11日に総辞職していた。新内閣は約1年後に迫る総統選に向け蔡英文政権の人気回復を目指すが、主要閣僚の大半が留任するなど人材不足もあらわになっており、政権浮揚につながるかは不透明だ。

14日に就任した蘇貞昌・新行政院長は蔡英文政権を浮揚させる重責を担う(14日午前、台北市内)

「(政策を)迅速に推進して民意に応え、成果を出す」。蘇氏は14日の内閣発足の式典で強調した。2000年代の陳水扁政権時代にも行政院長を務めた与党の重鎮で、蔡氏は「経験と気迫、実行力がある」と期待する。

新内閣は経済や外交、国防など主要閣僚の大半が留任した。副行政院長に元立法委員(国会議員)の陳其邁氏、交通部長(交通相)に前台中市長の林佳龍氏が新たに就任するのが目玉人事だが、トップの蘇氏を含め3人とも直近の地方選で敗北した与党候補者だ。最大野党・国民党寄りの現地主要紙「聯合報」は新内閣を「敗者の連盟」と皮肉った。

蘇氏は低所得者層への配分の強化など、有権者の支持を得やすい政策を打ち出す見通しだ。蔡政権は産業構造改革や東南アジアとの経済連携の強化などで中長期的な成長力の引き上げを目指すとしてきたが、足元の生活が改善しないことに有権者の不満が噴出。地方選での与党大敗につながった経緯がある。

式典に集まった現地メディアの注目は、蘇氏の前任で11日に行政院長を辞任した党のホープ、頼清徳氏の今後の動向に集中した。蔡氏よりも台湾独立志向が強いことで知られ、党の伝統的支持層である独立派からも人気を集める。今回の辞任は20年1月にも実施される次期総統選に出馬する下準備との見方は絶えない。蔡氏は再選出馬に意欲を見せるが、今回の内閣改造で人気が上向かない場合、頼氏を担ぐ流れが強まる可能性もある。

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