2019年8月25日(日)

中国、輸出入ともに前年割れ 18年12月、対米貿易不振で

2019/1/14 14:10 (2019/1/14 21:43更新)
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【北京=原田逸策】中国の貿易が振るわない。中国税関総署が14日発表した2018年12月の貿易統計(米ドル建て)によると、輸出額は前年同月比4%減の2212億ドル(約24兆円)、輸入額は同8%減の1641億ドルだった。輸出、輸入ともに前年同月の水準を下回るのは、16年10月以来2年2カ月ぶり。追加関税の影響で米国との貿易が低迷したほか、景気減速で内需も弱含んでいるためだ。

市場の事前予想は輸出、輸入ともプラスの伸びを見込んでおり、予想を大きく下回った。

品目別にみると、輸出では柱の携帯電話とパソコンがともに前年割れとなり、特に携帯電話は31%減と大きく落ち込んだ。米アップルの減産などが響いたとみられる。

もう1つの柱である労働集約型の衣類や織物も前年比マイナスで、家具も伸び率が2%にとどまった。米国は対中制裁関税第3弾として18年9月から一部の製品に10%の追加関税をかけており、東南アジア諸国との競合も激しくなっているとみられる。

輸入では金額ベースで最大の集積回路が15%も減り、2カ月連続で前年水準を下回った。パソコンや携帯電話の組み立て工場の稼働率が低下していることをうかがわせる。国内で販売不振が続く自動車も3割も落ちこんだ。

国別では対米貿易の落ち込みが目立つ。輸出は前年同月比4%減の402億ドル、輸入は同36%減の104億ドルだった。

輸入は4カ月連続の前年割れで、減少幅は統計を遡れる93年1月以降で最大だ。中国が報復関税の対象とした大豆や液化天然ガス(LNG)が他の地域に調達先を切り替えやすいことが影響した。輸入は共産党の意向に敏感な国有企業による取引の比率が高く、米国製品を敬遠する動きもあった。

輸出も9カ月ぶりにマイナスに転じた。トランプ米大統領が追加関税の対象を中国からの全輸入品に拡大する可能性を示唆していたこともあり、追加関税の対象品目以外でも輸出を前倒しする動きが続いていたが、野村証券は「駆け込み輸出が終わり、反動減が始まったことを示す」と分析する。

18年通年でみると対米輸出は前年比11%増の4784億ドル、輸入は同1%増の1550億ドルだった。対米貿易黒字は同17%増の3233億ドルと過去最高を更新した。巨額の対米黒字を問題視するトランプ氏を刺激する可能性がある。

中国税関総署が発表した18年12月の貿易統計は2年2カ月ぶりに輸出・輸入が前年同月の水準を下回った(14日、北京)=共同

中国税関総署が発表した18年12月の貿易統計は2年2カ月ぶりに輸出・輸入が前年同月の水準を下回った(14日、北京)=共同

輸出入の低迷は中国のマクロ経済にも影を落としそうだ。17年以降、堅調な輸出は中国経済を下支えしてきた。特に17年10~12月は国内総生産(GDP)の実質成長率6.8%のうち外需が2ポイントを占めていた。輸出低迷は成長率を下押ししかねない。

輸出で稼ぐのは民間企業がほとんどだ。輸出低迷は雇用の8割を占める民間企業の経営不振を通じ、雇用状況のさらなる悪化も招きかねない。

習近平(シー・ジンピン)指導部は対米貿易摩擦を緩和しようと18年初めから輸入拡大を進めてきたが、内需低迷の影響で打ち消されている。小売売上高の伸びは18年11月に15年ぶりの低水準を記録した。景気対策のインフラ建設も工事がまだ本格化しておらず、不動産投資も勢いがない。

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