2019年2月21日(木)

ギリシャ連立崩壊、信任投票へ マケドニア国名変更巡り対立

ヨーロッパ
2019/1/14 13:45
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【テッサロニキ=佐野彰洋】マケドニアの国名変更を巡り、ギリシャ政局が揺れている。13日に両国間の合意に反対する小政党が連立政権から離脱したことを受け、チプラス首相は議会(定数300)の信任投票実施を要請した。政権への信任取り付けに失敗すれば、前倒し総選挙が実施される公算が大きい。マケドニアの北大西洋条約機構(NATO)や欧州連合(EU)加盟が宙に浮く恐れもある。

13日、チプラス首相は政権の信任投票を求めると表明した(アテネ)=ロイター

ギリシャは「北マケドニア共和国」への国名変更を条件に、NATOやEUへの加盟反対を取り下げる2国間合意を結んでいた。

与党、急進左派連合(SYRIZA、145議席)を率いるチプラス氏は13日、連立相手の右派政党「独立ギリシャ人」(7議席)を率いるカメノス国防相と会談した。カメノス氏は合意への反対を理由に国防相を辞任し、連立政権から離脱する意向を伝えた。

カメノス氏は政権への信任投票で反対票を投じる方針だが、同党の一部議員や無所属議員が賛成に回ることで、チプラス氏が議会過半数の151人の賛成を確保できる可能性は残っている。信任決議案の採決は16日夜にも行われる見通しだ。

可決に成功すれば、チプラス氏は2国間合意の承認を議会に求める。マケドニア議会は11日、国名変更の憲法改正をすでに承認済みだ。チプラス氏は「政治的なコスト」を払ってでも「歴史的な機会」を生かすべきだとの考えを示した。

逆に信任決議案が否決されたり、議会過半数の確保に失敗したりした場合は、9月の任期満了を待たずに前倒し総選挙に向かう公算が大きい。EUの金融支援受け入れと引き換えに緊縮路線に転じたSYRIZAは支持率で最大野党、新民主主義党(ND)に引き離されており、政権交代が現実味を帯びる。

NDは2国間合意に反対している。合意が宙に浮けば、バルカン半島でのロシアの影響力拡大を懸念し、実現を後押ししてきた米国やドイツなどとの関係が悪化する恐れがある。ギリシャは2018年8月にEUの金融支援を脱却したばかりだが、欧米からの投資に影響が及ぶ懸念もある。

マケドニアは1991年に旧ユーゴスラビアから独立した。国内に同名の地方を持ち、アレキサンダー大王を生んだ古代マケドニアを自国の歴史の重要な構成要素と考えるギリシャが反発し、対立が続いてきた。

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