2019年3月20日(水)

米シティ、「物言う株主」と社内情報共有 対話強化

金融機関
2019/1/12 12:34
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【ニューヨーク=宮本岳則】米金融大手シティグループは11日、米有力アクティビスト(物言う株主)のバリューアクト・キャピタルと対話強化で合意したと発表した。シティ経営陣はバリューアクトと社内情報を共有し、企業価値向上に向けてより深い議論を進める。将来の社外取締役受け入れも視野に入れる。米主要6行の中で株価の出遅れが目立つシティは「外部の目」を活用しながら改革を加速する。

シティは「物言う株主」を受け入れ、株価底上げを狙う=ロイター

運用総額約165億ドル(約1兆8千億円)のバリューアクトは投資先との協調を重視する。経営陣と鋭く対立する「劇場型」のアクティビストとは一線を画し、米マイクロソフトなどに投資してきた。日本市場でも投資先のオリンパスが11日、バリューアクトから取締役を受け入れると公表したばかりだ。

バリューアクトはシティ株を3200万株(発行済み株式数の1.3%)を保有する主要株主の1社だ。シティ経営陣とバリューアクトは2018年の早い時期から対話を重ね、今回の合意に至ったという。両者は内部情報を共有しながら、経営戦略からガバナンス(企業統治)体制、業務運営まで幅広い分野について話し合う。

バリューアクトからの社外取締役受け入れについて、シティは「状況が変われば、候補者の提案を受け入れ、検討する」と述べた。バリューアクトはすでに米シティと一部事業で競合する米アライアンス・データ・システムズに取締役を派遣しており、現時点でシティに取締役候補者の提案をしていない。

シティが「物言う株主」と踏み込んだ契約を結んだ背景には、競合に比べて株価が出遅れているという現実がある。米調査会社ファクトセットのデータを基に米JPモルガン・チェースや米バンク・オブ・アメリカなど米金融大手6行の過去10年の株価騰落率をみると、最も低いのがシティだ。PBR(株価純資産倍率)も解散価値である1倍を下回っている。

シティは08年の金融危機後のリストラに時間がかかり、他の米金融大手に比べて成長路線への転換が遅れた。同社の強みは新興国にも広がる海外ネットワークで、海外事業の売上高比率が高い。18年は世界景気の減速懸念が高まり、強みが逆に投資家から敬遠される一因となった。バリューアクトの知見を生かしながら、株価向上策を探ることになる。

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