新潟県知事、NYで県産品をアピール
【ニューヨーク=西邨紘子】新潟県は11日、ニューヨーク市内で地元産品の試食会を開いた。2018年6月に就任した花角英世知事が地元のレストラン・流通関係者に県産の米や調味料、日本酒などをアピールした。今後も定期的に同様のイベントを開き、県産品の販路開拓につなげたい考え。

イベントでは県産の日本酒や地ビール25種類に加え、こうじを使った調味料の「かんずり」、柿をつかった酢「ぱしもんビネガー」などの試飲・試食を提供。会場となったレストラン「パークアベニュー・ウィンター」のシェフ長、ゼーン・フリン氏が新潟の食材を使った創作料理を振る舞った。
新潟県は15年にニューヨーク市内に県産品を集めたアンテナショップを開設し、販促の拠点としてきたが、販売先の開拓などに「限界もあった」(花角知事)。同店は18年に閉店し、仕入れ業者へのメーカーの直接販促を支援する方針に切り替えた。
11日の試食会で料理を担当したフリン氏は18年夏、新潟県の「バイヤー招へい事業」により訪日。実際に県内の食材メーカーなどを訪れ、食材について学んだという。同日、イベントに出席した日本酒輸入業者のクリス・ジョンソン氏は「消費者に産地や生産過程など『ストーリー』を含め食品をアピールする取り組みは、現地の販売業者にとっても助けになる」と取り組みを評価した。
新潟県は、17年に約8億円だった農産物の輸出額を20年までに10億円まで伸ばす目標を掲げる。同県の関係者によると、直近で輸出の9割を米が占めており、加工品などへの多角化が課題となっている。