2019年1月20日(日)

ゴーン元会長、会社私物化か無実か 公判で全面対決へ

ゴーン退場
社会
2019/1/11 20:28
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東京地検特捜部は、有価証券報告書の報酬過少記載事件に続き、会社法違反の特別背任事件でも日産自動車のカルロス・ゴーン元会長(64)を起訴した。「会社の私物化」を浮き彫りにする起訴内容に対し、ゴーン元会長はあくまでも「無実」を主張。国際的な注目が集まるなか、事件の公判は全面対決の構図となる見通しだ。

◆損害はあったか

特別背任罪の起訴内容の一つは、私的な通貨取引のスワップ契約で生じた約18億5000万円に上る評価損の付け替え。2008年10月にゴーン元会長の資産管理会社から契約を移転された日産に、財産上の損害があったか否かが対立点となっている。

付け替えは約4カ月で解消され、日産に実際の金銭負担はなかったが、特捜部は過去の判例も踏まえて「一時的にでも評価損の負担義務を負わせたことが損害にあたる」と判断している。

ゴーン元会長側は「契約は日産に移ったが、評価損の負担義務はゴーン元会長が負うことで合意していた」と指摘。日産に損害は発生しておらず、特別背任罪は成立しないと主張している。

◆巨額支出の趣旨は

特別背任罪のもう一つの起訴内容は、日産子会社からサウジアラビアの実業家、ハリド・ジュファリ氏側への1470万ドル(当時のレートで約12億8400万円)の支出。焦点はその趣旨だ。

巨額の評価損が生じたスワップ契約の担保不足に絡み、ジュファリ氏はゴーン元会長に信用保証で協力していた。「ジュファリ氏側への支払いはその謝礼などの趣旨で、私的な目的のために日産の資金を流出させた」と特捜部はみている。

ゴーン元会長はジュファリ氏について「日産の支援者」と説明。地元の販売代理店との紛争解決などの対価だとし、私的な謝礼などの趣旨を否定している。

◆先送り報酬は確定か

有価証券報告書に報酬を過少に記載した金商法違反の罪を巡っては、受領を退任後に先送りしたとされる8年分の報酬、計約91億円の支払いが確定していたかどうかが大きなポイントだ。

ゴーン元会長は各期の▽本来の報酬額▽実際に受け取った額▽受領を先送りした額――を記載した文書を作成するなどしており、特捜部は「先送り分の支払いは確定し、有価証券報告書に記載する義務があった」と判断している。

これに対し、ゴーン元会長は「記録していた報酬額は個人的なベンチマークで、法的な効力はなかった」などと主張。開示していない確定した報酬はないと反論している。

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