2019年3月21日(木)

希少糖、メキシコに工場 松谷化学が米市場開拓

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サービス・食品
中国・四国
2019/1/12 6:00
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香川県で研究が進められている希少糖が海外に進出する。製造元の松谷化学工業(兵庫県伊丹市)は、米国で食品などの原料製造を手掛けるイングレディオンと協業し、メキシコに新設する世界初の専用工場で2019年秋から製造を開始する。20年から世界の食品メーカーに販売する。普及拡大に停滞していた希少糖が、海外展開で飛躍を狙う。

希少糖は香川の土産物店の定番商品(右上が希少糖含有シロップ、栗林公園の物産館「栗林庵」)

希少糖は香川の土産物店の定番商品(右上が希少糖含有シロップ、栗林公園の物産館「栗林庵」)

香川大学の何森健教授が1991年に果糖から希少糖に変換させる酵素を発見し、松谷化学工業が希少糖を使用したシロップを2009年に製品化した。希少糖は砂糖と遜色ない甘さでありながらゼロカロリーという「夢の砂糖」。食後の血糖値の上昇を緩やかにし、内臓脂肪の蓄積を抑えるなど幅広い機能性を持つ。

希少糖の一種である「プシコース」を100%使用した白い粉末状の希少糖を「アストレア」のブランド名で販売する。アストレアは14年に米食品医薬品局(FDA)から安全性に問題ないとの回答を得ている。

松谷化学工業は、肥満問題が深刻な米国を希少糖の需要が見込める市場とみている。砂糖の代替品として用いることで食品や飲料に含まれる砂糖の使用量を減らし、カロリーの摂取量を抑えることができる。飲料や菓子、乳製品など、食品メーカーの需要を捉える。アジアでも肥満が社会問題となっており、市場として重視している。

世界の砂糖消費量で米国は4位、メキシコは9位につけており、両国をあわせると世界全体の砂糖消費量の約1割を占める。

メキシコの工場はイングレディオンと共同で出資する。投資額は明らかにしていない。松谷化学工業の17年11月期の売上高は563億円で、そのうち希少糖関連の売上高は非公開。

大きな可能性を秘めた「夢の砂糖」は、普及拡大に向け、これまで地道な周知活動を進めてきた。松谷化学工業が製造する希少糖含有シロップ「レアシュガースウィート」が初めて販売されたのは11年。知名度向上に向け、産学などで組織する希少糖普及協会(高松市)は飲食店と連携し、希少糖を使った料理を提供するなどのイベントを開催したほか、県外でも講演会や研究会を開催してきた。

県も希少糖の将来性に大きく期待している。13年にまとめた産業成長戦略でも、希少糖関連分野の集積を目指す「かがわ希少糖ホワイトバレー」を重点プロジェクトとして位置づけた。

希少糖を利用している企業数は18年には556社、商品数は1253品に上る。「レアシュガースウィート」は全国販売が始まった13年以降で4000トン強を販売している。

希少糖普及協会で代表理事会長を務める近藤浩二氏は、海外での販売が開始されることについて「希少糖の普及に向けた大きな一歩だ」と述べた。(桜木浩己)

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