台湾の蔡総統、再選狙い内閣刷新 低所得層支援へ

2019/1/11 17:49
保存
共有
印刷
その他

【台北=伊原健作】台湾の蔡英文総統は約1年後に迫る総統選での再選を目指す姿勢を鮮明にし始めた。内閣は11日に総辞職し、蔡氏が与党・民主進歩党(民進党)の重鎮、蘇貞昌氏(71)を新たな行政院長(首相)に任命した。蘇氏は低所得層の支援強化などで政権の浮揚に努め、蔡氏の再選を支援する見通しだ。

台湾の蔡総統(中)は新行政院長の蘇氏(右)に政権浮揚を期待(11日、台北市の総統府)

蘇氏は2000年代の民進党の陳水扁政権でも行政院長を務めた。組閣は週明け以降の見通し。

11日に総統府で会見した蔡氏は蘇氏の「経験と気迫、実行力」へ期待を表明。「人々に執政の成果を分配し、実感してもらう」ことが新内閣の任務だと強調した。同席した蘇氏は「(人々を)満足させ、支持を得る」ことが任務だと応じた。

新内閣の具体的な政策としては、月収3万台湾ドル(約10万5千円)以下の低所得世帯に対する1万台湾ドルの一時給付などが取り沙汰される。

民進党は18年11月の統一地方選で大敗し、蔡氏は党首を辞任。再選シナリオが揺らいだ。

総統選に向けた民進党の候補指名レースで蔡氏の強力なライバルになるとみられているのが、11日に行政院長を辞任した頼清徳氏だ。民進党内には、蔡氏が候補では「不人気で勝てない」との観測が根強い。同党は5月ごろまでに総統選の候補を決める見通しで、蔡氏の人気が回復しない場合、代わりに長く党のホープと呼ばれた頼氏をかつぐことも考えられる。

民進党は台湾独立志向を持つが、その中でも頼氏は独立志向が強いとされる。17年には「私は台湾独立を主張する政治家だ」と明言しており、総統選の候補になれば蔡氏を上回る独立派とみて中国が警戒を強める可能性もある。民進党の候補選びは、こうした要素も考慮して進むとみられる。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]