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AI運用、ぬぐえぬブラックボックス化の不安
無人市場(5)

2019/1/21 5:30
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人工知能(AI)はなぜこの銘柄を選んだのだろう? 

AIが株式運用の主役になると、投資家は新たな疑問に直面する。情報システムに詳しい東京大学の和泉潔教授はいう。「深層学習(ディープラーニング)などを活用した高度なAIになるほど、分析などの過程が複雑になって、もはや人間には理解が難しくなる」。

AIの意思決定のプロセスはブラックボックス化する。

特に運用に失敗し、大きな損失を出した場合が問題だ。

AIの意思決定プロセスはブラックボックス化する

AIの意思決定プロセスはブラックボックス化する

AIの内部に欠陥や設計ミスなど何か問題があったのか、それとも正常に稼働したが期待に成績が及ばなかっただけなのか――。お金を預けた顧客が前者の理由で不利益を被っても、「投資家が立証するハードルは高い」(一橋大学大学院教授で民法が専門の角田美穂子氏)。

07年8月には、特定銘柄が乱高下する「クオンツ・ショック」と呼ばれる混乱が起き、多くのヘッジファンドが損失を被った。一部のファンドの換金売りが発端と言われるが、真相はわからずじまいだ。

AIが見せ玉など相場操縦をしたときはどうか。誰が不法行為の責任を負うのか。西村あさひ法律事務所の有吉尚哉弁護士は「現在の様々な規制は人間の認識や行為を前提としており、法解釈で対応するには限界がある」と警鐘を鳴らす。

こうした問題に対応するため、AIの意思決定過程を事後的に検証する試みが進行中だ。米IBMが開発したシステムでは、AIが出した複数の結果を照らし合わせることで、どのデータが結果を左右したのかを逆算できるという。富士通もAIの説明性を高めるシステム開発に取り組む。

金融庁は機械取引について「市場の価格形成機能や取引の厚みを充実させると考えており、マーケットをかく乱させているという認識はない」とする。

本当にそうだろうか。18年10月9日には東京証券取引所で大規模なシステム障害がおきた。高速取引業者(HFT)のミスで、通常の千倍ものデータが東証に流れ込み、売買注文約10万件が約定できなかった。HFTのデータがメリルリンチ日本証券のチェックを経ず、素通りしたためだ。当局や市場関係者が想定していなかった問題が現実となった。

フィデリティ・インターナショナルが18年10月に発表した世界25カ国の機関投資家調査では、約7割がAIの活用に前向きだった。野村総合研究所の大崎貞和フェローは「ヒトが長期運用に対して、AIは短期運用と、役割をすみ分けるようになるだろう」と語る。様々な問題を抱えつつも、より高度で低コストの運用を求め、AIの力を有効活用しようとする市場の流れは変わらない。

機械運用の規模が2千兆円に達するなか、市場のルールや仕組みはヒトが主役だった昔のままだ。

自動運転やデータ流通の分野では、国際的なルール整備が進む。技術の発展が引き金となる時代の変わり目には新しい秩序が必要とされる。無人市場時代にふさわしい備えが求められる。

嶋田有、野口知宏、編集委員 松崎雄典、山下晃、寺井伸太郎、ニューヨーク=宮本岳則が担当しました。

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