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ナノ秒を削り出せ エンジニアが金融エリートに
無人市場(3)

2019/1/17 5:30
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仏運用会社アクサ・インベストメント・マネージャーズで数量分析に基づく株式運用を担うローゼンバーグ・エクイティー。日本拠点の窪田淳行氏は毎朝、東京都港区のオフィスの自席に着席するとまずコンピューターの指示を確認する。コンピューター画面に表示されるのは、売買すべき銘柄名と株数だ。

年末年始の波乱相場で、同社の数理分析モデルは機械や電子部品など景気敏感株を買うよう指示してきた。1週間に1度ほど、証券会社への注文ボタンを押せば投資は完了だ。

窪田氏は業務時間の大半を、どういったデータが投資に生かせるか検証したり、チェックしたりする作業に費やす。ESG(環境・社会・企業統治)や企業のサプライチェーン(供給網)のデータなどが代表例だ。

株式運用部長という肩書のイメージとは違い、企業を訪問して経営者に取材することはない。「投資というよりデータ・サイエンスの世界」(窪田氏)だ。

同部門は、米国のデータセンターに、売上高や利益、株価など世界2万社のデータを蓄積する。数理分析モデルは、このデータを分析し、株価の割安・割高を判断する。昼夜稼働して、日本担当の窪田氏を含め、世界各地の担当者に売買を指示する。ローゼンバーグのギデオン・スミス欧州最高投資責任者は「ロボットは感情に流されず、市場のミスプライスを見極められる」と自信を示す。

ダルマ・キャピタルの塩谷明達社長は物理学が専門

ダルマ・キャピタルの塩谷明達社長は物理学が専門

金融庁に登録する国内唯一の高速取引業者(HFT)、ダルマ・キャピタル(東京・千代田)。同社オフィスの主役はエンジニアだ。物理学やコンピューター・サイエンスを使い、株価を解析。市場分析やプログラムの作成に取り組む。英ケンブリッジ大で物理学修士号を取得した塩谷明達代表をはじめ、10人弱の社員のほとんどが物理や数学の専門家だ。社名のダルマは仏教用語の「真理」に由来する。

収益源のひとつは「マーケットメーク」と呼ばれる機械を使った株式売買のサヤ抜き。買値と売値のわずかな差を稼ぐ。

注力しているのはスピードだ。ネットワーク機器にはHFT専用のデータ加速モードが付いた特注製品を採用し、ナノ秒(10億分の1秒)を削る。株式売買は同じ値段ならば注文が早い方が約定する「時間優先」のルールがある。スピードが速ければ、約定率が高まるほか、市場の急な変動にも対応できる。「科学的な分析だからこそ、競合各社と戦略が似通ってしまい、スピード勝負になる」(塩谷氏)。

伝統的な証券会社や運用会社でもエンジニアの地位が急上昇している。米ゴールドマン・サックスは世界約4万人の従業員のうち、約4分の1がエンジニアとなった。

証券会社は顧客の注文をいかに低コストで約定させるかが競争力の源泉となる。ITを使ってこのプログラムを構築するのが「ストラテジスト」と呼ばれる部隊だ。将来の株価見通しを予想する従来の株式ストラテジストとは概念も仕事内容も異なる。

取引時間中はテクノロジー部隊が注文を監視。取引終了後は、ストラテジストが顧客を訪れ、顧客からの要望を持ち帰ってプログラムに反映させる。

メッセンジャーボーイから米シティグループのトップとなったサンディ・ワイル氏=AP

メッセンジャーボーイから米シティグループのトップとなったサンディ・ワイル氏=AP

ゴールドマン・サックス証券の白井俊道テクノロジー部長は「最近は売買を約定させるプログラムに株価予測の人工知能(AI)を組み込んでおり、これが戦略の核になっている」という。白井氏も学生時代の専攻は天文学だ。

エンジニアが市場で活躍するようになった変化の潮目は、マイロン・ショールズ氏とフィッシャー・ブラック氏が株式オプションの理論価格を算出する「ブラック・ショールズ方程式」を構築してからだ。市場の混乱から金融資産を守るリスク管理手法が、それまでの経験から数学に変化した。

証券会社のメッセンジャーボーイを振り出しに米シティグループのトップとなったサンディ・ワイル氏、ゼネラル・モーターズ(GM)の夜間工から米メリルリンチの最高経営責任者となったスタンレー・オニール氏。経験ではなく、数学が支配する無人市場ではこうしたアメリカン・ドリームは過去のものとなる。

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