2019年7月23日(火)

変わる成人式、学校ごとに開催 旧交温めやすく

2019/1/11 10:01
保存
共有
印刷
その他

14日は成人の日、多くの自治体で成人式が開かれる。成人式といえば、1カ所の大会場に集まり自治体の首長らの祝辞を聞くのが伝統的なスタイルだが、最近は私立学校が卒業生の新成人を招いたり、自治体が中学校の校区単位で開いたり。「友人と旧交を温める場にしたい」という新成人の意向を背景に変化が表れている。

実践女子学園では学校に卒業生を集めて「成人の会」を毎年開く(昨年1月、東京都渋谷区)

実践女子学園では学校に卒業生を集めて「成人の会」を毎年開く(昨年1月、東京都渋谷区)

成人の日は1948年(昭和23年)に祝日法が施行され、国民の祝日として1月15日と定められた。かつて元服が行われた時期で、正月のおめでたい松の内に若者の門出を祝う趣旨で決まったという。ただ、祝日を月曜に移して3連休を増やすハッピーマンデー制度の導入により、2000年からは1月の第2月曜日になった。

成人式のルーツは1946年11月に埼玉県蕨町(現蕨市)が開いた「成年式」との説がある。成年式は終戦後の若者を励ますため地元青年団が企画した青年祭のイベントの一つだった。当時の開催要項を見ると、成年式の後に懇親会があり、おでんや焼き芋、おしるこ、甘酒、紅茶が振る舞われたとみられる。

成人式は市町村が新成人を招いて開くのが一般的だ。民間団体の調査によると、若者の多くが成人式への参加理由について「同級生に会えるから」と回答している。国学院大の野村一夫教授(社会学)は「若者にとっては式典や祝辞で『今から大人の仲間入りだ』と言われても、実感が持てないのでは。成人式は通過儀礼というより単に友人と集まる同窓会という意識が強いのだろう」と指摘する。

ただ、自宅から離れた私立の中高一貫校などに通った場合は地元の友人が少ないケースもあり、最近は私立学校主催の成人式が増えている。

実践女子学園高校(東京・渋谷)は2013年から、新成人の卒業生を招いて「成人の会」を開催している。7回目の今年は当時の担任らが出席し、新成人が高校時代を振り返って作成したDVDも上映する。昨年参加した私立大3年の渡辺美紅さん(21)は「制服で過ごした校舎に振り袖姿で集まったのは感慨深かった」。自治体主催の成人式にも出席したが「中学から地元を離れたので人の輪に入りづらかった」と話す。

06年開校の全寮制の海陽中等教育学校(愛知県蒲郡市)も第1期生が成人した14年から「成人を祝う会」を開く。時期は卒業生が集まりやすいよう大学が春休み中の3月にした。柴田哲彦教頭は「全寮制なので地元よりも中高6年間を過ごした学校の方のつながりが強い生徒が多い。学校側も卒業生の成長を実感できる」と話す。

富山県高岡市は「より地域に密着した成人式にしたい」と、17年から市内に12ある中学校の校区ごとに会場を分けた成人式を開催している。中学時代の写真をスライドにして上映したり、当時の担任教諭に花束を渡したりしている。

一方、18年6月に成人年齢を現行の20歳から18歳に引き下げる改正民法が成立し、2022年4月から施行されるが、成人式はどうなるのか。

成人が18歳になると、1月は大学入試シーズンと重なってしまう。民間団体の調査では、若者の7割以上が受験などを理由に「成人式は20歳で」と希望している。

また22年度は成人式の対象者が18、19、20歳になる。各自治体で対象者は異なるが、単純計算で例年の3倍に膨らむため、レンタル着物の確保や収容会場の準備が課題となりそうだ。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。