2019年3月20日(水)

安川電の経常利益下振れ 19年2月期、中国の受注減少

企業決算
2019/1/10 20:30
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安川電機は10日、2019年2月期の連結経常利益が544億円になりそうだと発表した。従来予想を56億円下回る。下方修正は今期2度目だ。決算期変更で前期と単純比較はできないが、18年3月までの12カ月間との比較では3%の増益予想から一転、7%減益となる。米中貿易戦争の激化に伴い、収益源の中国で投資抑制の動きが想定以上に強くなっている。

「米中摩擦により投資のブレーキが全体に広がってきた」。安川電の幹部はややお手上げといった口調で説明する。通期の売上高の予想は4820億円、純利益は455億円と従来計画をそれぞれ160億円、15億円下回る。省力化需要に支えられ、売上高などは引き続き過去最高の水準を見込むが、昨年10月に下方修正した予想値は再度引き下げることとなった。

安川電は工作機械や半導体製造装置など様々な産業用機器に搭載するサーボモーターや、産業用ロボットを製造している。中国向けの売上高は全体の2割強にのぼり、中国景気の先行きを示す銘柄の一つとして注目されている。

QUICKがまとめていた経常利益の市場予想平均は578億円だった。安川電のロボットなどを使う企業は中国で製造し欧米に輸出しているが、市場からは「こうしたビジネスモデルがこの先も続くのか、不透明な印象を受けた」(楽天証券経済研究所の窪田真之氏)との声が聞かれる。

前回業績予想を引き下げた時はスマートフォン(スマホ)関連の不振や韓国サムスン電子など半導体メーカーの投資先送りが主因だった。中国の需要は早めに底入れすると見ていたが、その後も続く米中摩擦で自動車関連をはじめとする製造業全般で様子見が広がる。現時点で日本や米国など他地域では補いきれない状況だ。

中国向けの受注高は18年9~11月期には前年同期比25%減と、7四半期ぶりに減少した18年6~8月期(9%減)から一段と悪化した。クレディ・スイス証券の黒田真路氏は「最近の利益成長が急だったぶん、減産時の収益下押し圧力も強い」と指摘する。

中国のスマホを巡っては、華為技術(ファーウェイ)製品が米英などで排除されつつある。「安川電との直接的な取引は多くはないが、調達網も含めた間接的な影響も含めればネガティブ」(野村証券の野口昌泰氏)との不安もくすぶる。

日本工作機械工業会は9日、19年の工作機械の年間受注額は1兆6000億円程度との見通しを発表。低い水準ではないが、18年実績推計と比べて1割強減り3年ぶりの前年割れとなる。

株式市場や工作機械業界では中国の設備投資が本格的に動き始めるのは19年後半だとみている。「しばらくは厳しい環境が続く」(外資系証券)との声が増えている。

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