UAゼンセン、ベア「2%基準」要求へ 19年春季労使交渉 方針案発表

2019/1/9 21:00
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流通や外食、繊維などの労働組合が加盟するUAゼンセンは9日、2019年春季労使交渉の要求方針案を発表した。正社員について18年と同水準の「2%基準」のベースアップ(ベア)を求め、パートらについても同程度を要求するという。賃金だけでなく、働き方や非正規の待遇改善もテーマとなる。

要求は30日に開く中央委員会で正式決定する。UAゼンセンは、約2400組合178万人を抱える国内最大の産業別労組。9日、都内で記者会見した木暮弘書記長は「数字としては18年と変わらないが、物価は上昇基調にあり、環境は整っている。実質賃金の確保をスタートとし、働き方改善のルールについても労使で徹底的に協議する」と話した。

焦点の一つが賃上げ率が18年を上回るかどうかだ。18年の春季労使交渉は高い賃上げ率で妥結しており、正社員1人当たりの賃上げ率は2.12%(月6056円相当)で、UAゼンセンの発足(12年)以降で最高だった。19年も要求水準を据え置き、正社員のベア要求は14年からの6年連続、2%基準を掲げるのは4年連続となる。

非正規の待遇改善も焦点となる。働き方改革関連法で20年4月から大企業は「同一労働同一賃金」が求められる。スーパーや外食チェーンなどの労組が多く加盟するUAゼンセンは非正規を多く抱え、パートら短時間組合員が約58%を占める。法改正に対応し、正社員と非正規との格差是正にも取り組む。

パートについては正社員と同じベア2%に加え、一時金の制度化も求める方針。格差是正への対応として、精勤・皆勤手当や通勤手当など手当の一部については正社員同等に支給することなども求める。18年はパートは1人当たりの賃上げ率が2.47%(時給23.3円相当)で、過去最高を4年連続で更新した。

働き方の改善としては、近年、自然災害が相次いでいることから、被災して出勤できない場合や自宅を修復するために使える災害休暇を設けるよう取り組む。

自動車業界の労働組合が加盟する自動車総連は19年春季労使交渉で、ベアの実額を統一見解として示すことを見送った。国内最大の産業別労組であるUAゼンセンが示す要求基準の存在感は増しうる。

厚生労働省の集計では、18年春季労使交渉の賃上げ率は2.26%だった。安倍晋三首相が経済界に呼びかけた3%という具体的な数値目標には届かなかったものの、3年ぶりに前年比プラスに転じた。19年10月には消費増税も予定され、賃金引き上げは消費の落ち込みを下支えする効果も見込める。各労組の要求内容が注目される。

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