2019年1月23日(水)

工作機械受注3年ぶりマイナスへ 19年、12%減見通し

貿易摩擦
自動車・機械
中国・台湾
アジアBiz
2019/1/9 17:10
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日本工作機械工業会(日工会、東京・港)の飯村幸生会長(東芝機械会長)は9日、2019年の年間工作機械受注額が前年実績(推定)に比べて12%減の1兆6000億円にとどまるとの見通しを発表した。減少は3年ぶり。米中貿易戦争の影響で大市場の中国が失速する。米アップルのスマートフォン(スマホ)「iPhone」の減産も影を落とす。

設備投資の先行指標として知られる工作機械受注が減速している

日工会の飯村会長が賀詞交換会のあいさつで明らかにした(9日、都内)

「潮目が変わり、軟調な部分が見え始めている」。飯村会長は同日、都内のホテルで開かれた賀詞交歓会であいさつし、19年の受注環境についてこう述べた。1兆6000億円でも過去3番目の高水準ではあるものの、前年比の減少は3年ぶりとなる。

飯村会長は国内や欧米の需要の底堅さを指摘する一方で「中国は生産過剰による緊縮策の影響に加え、スマホの低迷や先鋭化する貿易摩擦など複合的なマイナスから設備投資の手控え感が出てきている」と話した。

日本の工作機械業界は過去2年間、異次元ともいえる好況下にあった。17年の年間受注額は1兆6455億円と10年ぶりに過去最高を更新、18年の実績値は確定していないものの、17年実績を1割程度上回る約1兆8000億円と2年連続で過去最高を更新した。

けん引役だったのは中国だ。大型の多目的スポーツ車(SUV)やスマホ部品向けの精密金型など中国で製造される製品の性能が上がり、日本製の高性能な工作機械への需要が急増。中国の産業高度化政策「中国製造2025」も中国企業の投資を後押しした。

その中国向けが国内の景気減速や米中貿易戦争の影響を受けて、急失速している。日工会によると、中国向けの受注額は18年11月まで9カ月連続で減少した。

米アップルのiPhoneの新型機種の減産も影響しそうだ。iPhoneのような高級スマホの製造には日本製の工作機械が多用されている。スマホ本体の金属加工用など中国の電気・精密向けだけで、日本企業の受注金額は年間約1000億円規模に達する。

18年は中国が失速する一方で日本や欧州、米国の需要の強さが目立った年でもあったが、大市場の中国の不調はいずれ先進各国にも及ぶ。19年は予断を許さない1年となる。

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