世銀総裁キム氏、米民間ファンドでインフラ投資

2019/1/9 16:09
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世界銀行のキム総裁が2月、米ニューヨークの民間ファンド、グローバル・インフラストラクチャー・パートナーズ(GIP)に転じることが分かった。GIPは8日、キム氏が副会長として加わると公表。韓国系米国人のキム氏は7日、任期を3年残したまま2月1日付で辞任すると発表していた。政府系を辞め、今度は民間ファンドで引き続き途上国へのインフラ投資に携わることになる。

世界銀行のキム総裁=ロイター

キム氏は2012年に世銀総裁に就任、17年7月から2期目に入っていた。ただ、国際機関への資金拠出を絞るトランプ米政権と、財務リストラに反発する世銀本体との間で板挟みとなり、孤立を深めていたという。

GIPのアデバヨ・オガンレシ会長は「キム氏の幅広い知見と包括的な経験はとても価値のある示唆を与えるだろう」と述べた。キム氏も「世銀での経験からインフラ開発の重要性を認識している。GIPで世界的な重要課題に取り組むのを楽しみにしている」と加えた。

英紙フィナンシャル・タイムズによると、キム氏がGIPに移ることが具体化し始めたのは18年12月。アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議で、キム氏の新ポストに関する会話が熱を帯びたという。キム氏は辞任発表の1週間前、世銀幹部らに辞任の意向を伝え始めた。

「民間ファンドに加わるのは予期しなかったが、気候変動といった世界的な問題に最大の影響を持てる道を選ぼうと決めた」。キム氏は従業員らにこう伝えた。GIPは再生エネルギー分野で急成長しているファンドで、資金調達を増やし、エネルギーや輸送分野に振り向けようとしている。

キム氏はワシントンに本部を構える世銀から、ウォール街に活動拠点を移す。トランプ政権が世銀に対する資金拠出を絞るなど国際機関としての価値に疑問を呈する中で、キム氏の突然の転任は世銀を動揺させることになりそうだ。同氏の後継者選びも難航が必至だ。

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