2019年1月20日(日)

タイ、EUへの水産物禁輸を回避 是正勧告解除

東南アジア
アジアBiz
ビジネス
2019/1/9 15:23
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【バンコク=岸本まりみ】欧州連合(EU)は8日、タイに対する違法・無報告・無規制(IUU)漁業の是正勧告を解除したと発表した。改善されない場合はタイからEUへの水産物輸出を禁じる制裁が発動される可能性もあったが、回避された。タイの食品企業大手は国外での事業拡大を目指しており、EUの意向に従うことで大市場へのアクセスを確保した。

タイは水産業が盛んだ(タイ・サムットサコーン県)

タイは水産業が盛んだ(タイ・サムットサコーン県)

EUは2015年4月、漁船管理制度や水産品のトレーサビリティー(生産履歴の追跡)が不十分だとして、タイに勧告を出した。EUは解除の理由として、漁業従事者の労働環境改善や違法漁船の取り締まりといったタイ政府の取り組みを評価したと説明。「法制度や行政システムの欠点を解決した」と指摘した。

ツナ缶の世界最大手タイ・ユニオングループは売り上げの約3割を欧州で稼ぐ。同社は「タイ政府と協力して漁業の前向きな変化を後押ししてきた」と歓迎のコメントを出した。同社の9日の株価は一時、前日比6%上昇した。エビ輸出などを手がけるタイの食品大手チャロン・ポカパン(CP)フーズの株価も同日、ほぼ1カ月ぶりの高値水準に達した。

タイをはじめとする東南アジアの水産業は労働者の人権や環境に対する意識がおろそかなまま拡大してきた。タイは水産物の漁獲・生産量で世界上位20カ国に入る水産大国。タイ水産局によると17年の水産物の輸出額は1894億バーツ(約6500億円)にのぼった。EUは米国、日本に次ぐ第3の輸出先で、輸出額全体の約1割を占める。

東南アジアではベトナムとカンボジアがなお同様な是正警告を受けている。タイ外務省のブッサディー情報局長は「同じ課題を抱える周辺国にも解決に向けた支援をしていきたい」と話し、東南アジア地域全体で問題に取り組む姿勢を示した。

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