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慢心はなかったか 海外G1ゼロ勝という警告

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2019/1/12 6:30
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2019年の競馬が幕を開けた。昨年はアーモンドアイが3歳牝馬三冠、ジャパンカップと計4つのG1を席巻。同馬の陣営は早々と、今年3月末のドバイ国際競走参戦を表明し、秋は仏G1、凱旋門賞に向かいそうだ。景気よく花火が上がっているが、足元を見れば話は違う。昨年、日本馬は8年ぶりに海外G1を勝てなかった。金城湯池だったはずの香港やドバイで勝てなかったのが響いた。特に12月の香港国際競走では、4つのG1を施行する形態になってから初めて、地元・香港馬が全勝した。1200~1600メートルで強さを誇っていた香港馬が、中長距離でも「ホームなら勝つ」段階に達したのだ。今世紀に入って「日本馬は強くなった」との声を聞く機会が多くなったが、昨年の結果は慢心を強く警告している。

中長距離でも香港馬に勝てず

昨年の香港国際競走は12月9日、香港・シャティンで行われた。日本勢は4つのG1に計9頭が参戦。香港ヴァーズ(芝2400メートル)のリスグラシュー、香港マイル(芝1600メートル)のヴィブロス、香港カップ(芝2000メートル)のディアドラが2着と好走したものの、勝利は逸した。17年4月に同所で行われたクイーンエリザベス2世カップ(芝2000メートル)のネオリアリズムから続く、海外G1での連敗を止められずに年を越した。

惜しかったのはリスグラシューで、好位置から直線で一度は前に出たが、勝ったエグザルタント(4歳去勢馬)に差し返されて首差負け。残る2頭は完敗だった。ヴィブロスは圧勝した強豪ビューティジェネレーション(6歳去勢馬)に3馬身差をつけられた。ディアドラは1番人気ながら、巧みなペースで逃げたグロリアスフォーエバー(4歳去勢馬)に1馬身差及ばず。同日のシャティンは先行有利の傾向で、末脚自慢の同馬には不利な展開だったが、弱点を露呈したとも言える。

エリザベス女王杯を制したリスグラシュー。香港ヴァーズでは首差及ばなかった=共同

エリザベス女王杯を制したリスグラシュー。香港ヴァーズでは首差及ばなかった=共同

2着が全て牝馬だったのは象徴的だ。キタサンブラックの引退後、国内競馬の主流と言える古馬の中長距離路線は混戦が続く。昨年はこの路線で複数のG1を勝つ馬が出なかった。牝馬が遠征して戦えるのは、一概に悪い状況ではないが、勝ちきれる馬がいない現状を映してもいる。戦前の予想では、9頭と少頭数でほぼ地元勢との戦いと見られた「カップ」が有望視されていた。だが、前哨戦では激しかった地元勢の先行争いが、本番では全く見られず、ディアドラは追い込み馬の負けパターンにはまった。「ヴァーズ」は欧州勢が最高3着と不発で、後から考えれば、ここで勝てなかったのが悔やまれる。

香港国際競走が現在の4G1体制になったのは「スプリント」がG1に昇格した02年から。各G1の国・地域別勝利数を見ると、距離ごとに顕著な差がある。地元勢が苦戦していたのが「ヴァーズ」で、昨年を含めて19回中2勝だけ。「カップ」も20回中8勝だが、「スプリント」(17回)と「マイル」(19回)は各14勝と圧倒的だ。サラブレッド生産のない香港競馬は、主にオセアニアから馬を輸入して施行しており、この地域が強い短距離や1600メートル路線が香港馬の得意な距離でもあった。だが、中長距離の重賞路線の整備に、業績好調に支えられて馬主が購買力を増したことも重なり、苦手だった領域でも戦力が整ってきた。

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