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豊島逸夫の金のつぶやき

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株安の潮目変化、じわり進行

2019/1/9 9:24
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NY株価が打たれ強くなってきた。

8日には、韓国サムスン電子が2018年10-12月期連結決算(速報値)の営業利益が29%減になるとの見通しを発表した。メモリーのDRAMの需要低迷や、スマホの競争激化を理由に挙げている。サムソンのスマホ市場のシェアは約20%で、アップルの約13%をしのぐ。しかし、サムソンショックは起こらず株式市場は冷静に受け止めた。アップルの株価も1.9%高と反発した。潮目の変化を実感する。

欧州でもドイツの11月の鉱工業生産指数が、事前予測の0.3%上昇に対して、1.9%下落となった。3か月連続の減少だ。発表直後には、すわ、ドイツショックも、との警戒感が漂ったが、やはり市場は冷静に受け止めた。

そして世界銀行が世界経済について「暗雲」と題する経済見通しを発表した。19年の世界経済は2.9%成長に減速するとの内容だ。もし、これが年末年始の株価大変動期に発表されていたら、格好の売り材料とされたであろう。

とにもかくにも、これらの逆風を受け止めつつ、8日のダウ工業株30種平均は前日比256ドル高で引けた。

リスクオフの市場心理は改善が顕著だ。

恐怖指数と呼ばれる米変動性指数(VIX)も、一時の30台から21まで低下した。とはいえ、20以上は依然として「警戒水域」とされる。

結局、市場は19年の経済「減速」を織り込み、「景気後退」の可能性を模索しつつ、じわり反発局面に入っている。

ウォール街では新年早々から相次ぎ、19年の米株価見通しを引き下げる動きが目立つ。S&P500種株価指数のベースで、英バークレイズは3000から2750へ、米シティグループも3100を2850へ、それぞれ下方修正した。それでも、8日の2574と比べれば上昇する予測だ。

マーケットは、V字回復までは期待していないが、相対的に低くなった水準をニューノーマル(新常態)と割り切り、まずは下値を固め、徐々に底値切り上げを期待する状況といえよう。

目下の最大の注目要因は、3日目に突入した米中の実務レベルの通商交渉だ。トランプ米大統領は楽観的な見通しを語る。市場は、株価を意識しての発言かと勘繰る。とはいえ、予定の2日間からさらにもう一日予定を延ばしても交渉は続けるとの展開に、米中の本気度を感じる。さすがに米中の共倒れリスクは回避したいとの本音が透ける。

株式市場も、勘繰りつつ、買い続けた。やはり潮目の変化を実感する。

外為市場でもリスクオフによる円高・ドル安が徐々に解消に向かい、1ドル=108円水準まで回復してきた。このまま109円台まで戻せば、市場安定要因として評価されよう。

国際商品市場でもWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物が1.2%反発して1バレル50ドルの大台回復も視野に入っている。これは市場心理改善には大きく貢献する展開だ。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
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