2019年3月19日(火)

ゴーン元会長が無罪主張、専門家の見方

ゴーン退場
2019/1/8 21:25
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日産自動車元会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)は8日、東京地裁の勾留理由開示で無罪を主張した。専門家はどうみるのか。

元刑事裁判官の門野博弁護士の話 ゴーン元会長の主張は一定の説得力がある。検察にとってハードルの高さを感じさせ、公判でどんな証拠が出るかが焦点だ。

特別背任容疑の中身は個人的な投資ではなく、円建ての報酬をドルに替えたかったという趣旨。「リーマン・ショック」で慌てた銀行と会社も共謀していれば、構成要件の図利加害目的を満たさない可能性がある。

より厳しく見えるのはサウジアラビアの知人への支出。信用保証の見返りの意味合いが濃厚でも、実際にロビー活動などをしていれば相殺される可能性がある。外国で活動実態がないと立証するのも難しそうだ。

金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)は、仮に死亡すれば相続人が報酬の支払いを日産に要求できないという「死のテスト」という表現が興味深い。役員報酬が確定しているかは大きな争点で、新しい判例がつくられることになるだろう。

弁護団の狙いはおそらく保釈だ。実質犯の背任で否認だと、証拠隠滅の恐れから保釈が認められにくい。日産に敵対的ではなく、逃げも隠れもしないと強調して保釈を早めたい考えだろう。

元検察官の落合洋司弁護士の話 従来想定されていた主張で、特段の驚きはない。検察は経緯を細かく追いながら、すでにこの反論を突き崩す証拠を固めているだろう。

特別背任容疑は「図利加害目的」と「財産上の損害」の2点で否認しているが、日産のためと強調しても、自分でカバーできない損失を付け替えれば、自己の利益を図る目的が全くないとはみられにくい。損害も発生するリスクを会社に負わせた時点で成立する。

弁護団はサウジの知人に「活動実態があり報酬はその対価だった」と法廷で証言してもらうつもりだろう。信用性が焦点になる。金商法違反は「確定していない」という主張だが、特捜部は側近らの供述を固めているはず。司法取引で供述が得られやすくなり、効果は大きかった。

今回の手続きの影響は取り調べが半日できない程度。弁護団は主張をアピールし、外圧を利用する場に使う狙いだろう。

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