吉田沙保里さん引退「区切りを決断」 10日に会見
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レスリング女子で五輪と世界選手権を合わせて16大会連続世界一に輝き、2012年に国民栄誉賞を受賞した吉田沙保里さん(36)が8日、現役引退を表明した。ツイッターなどに「33年間のレスリング選手生活に区切りをつけることを決断しました」と投稿し、日本レスリング協会にも引退を報告した。10日に東京都内で記者会見する。
五輪4連覇を逃した16年リオデジャネイロ五輪後は休養に入り、選手兼任で日本代表コーチを務めていた。取材に対して「第二の人生も明るく楽しく笑顔で頑張りたい」とし、今後も代表コーチを続ける意向を示した。ツイッターなどで「改めてみなさんの前で引退のご報告と感謝の気持ちをお伝えしたいと思います」とした。

三重県出身。3歳でレスリングを始め、14年3月に亡くなった父、栄勝氏の指導で頭角を現した。中京女子大(現至学館大)に進学して栄和人氏に師事し、高速タックルを武器に02年世界選手権を初制覇。五輪は女子が正式種目入りした04年アテネ大会から3連覇し、新興種目に注目を集める火付け役となった。
12年に世界選手権を10連覇し、五輪3連覇と合わせて「人類最強」と呼ばれたアレクサンドル・カレリン(ロシア)を超える史上初の13大会連続世界一を成し遂げた。15年末に10年以上所属したALSOKを退社し、16年11月から昨年8月末まで至学館大の副学長も務めた。〔共同〕