新潟県、放射性汚泥を処理へ 東電に30億円請求方針

2019/1/8 14:28
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新潟県は8日、東京電力福島第1原子力発電所事故後に新潟県内で発生した放射性物質を含む汚泥について、県が処理すると発表した。県が保管する約6万トンの汚泥が対象で、処理費用は30億円程度を見込む。費用は東京電力ホールディングスに全額負担を求める。2012年から東電側に引き取りを要請してきた汚泥問題だが、今回の決定でようやく解決に向け一歩前進した格好だ。

新潟県は約6万トンの放射性汚泥を保管している(保管場所の一つである新潟市の笹山浄水場)


放射性汚泥を巡っては、泉田裕彦元知事がわずかでも放射性物質が検出されれば保管するという対応を決め、12年から東電に引き取りを要請し続けてきた。18年12月27日、東電新潟本社の橘田昌哉代表が「廃棄物処理の資格がなく、法規制の課題がクリアできない」とし、引き取りは困難と最終的に県に回答していた。

花角英世知事は8日の記者会見で「東電側の回答に時間がかかったことは大変遺憾」としたうえで「汚泥の保管容量の限界が近づいており、住民の不安も大きい。東電に引き取り要請を続けるのは現実的ではないので県で処分する」と明らかにした。

新潟県は現在、新潟臨海工業用水道(新潟市)と上越工業用水道(上越市)で約6万トンの汚泥を保管している。年間5000トンが新たに発生しており、保管可能な容量は残り1年程度だった。汚泥の処理は新潟臨海工業用水道の東港物流団地にある汚泥から着手する。

県は2月に公表する19年度予算で、処分に関する費用を計上する。予算の成立後、処理を委託する業者を入札で決める予定だ。県企業局は「できるだけ早く処理したい」としているが、処理開始の時期は委託先によって異なるとし明言しなかった。

東電は今回の新潟県の決定を受け「原子力損害賠償法に基づいて対応していく」とコメント。全額負担に関しては、橘田代表が昨年12月に「福島の事故に起因した(放射性物質を含む)汚泥の処理に応じる」と述べるにとどまっている。全額負担に応じるかは現時点で未定で、県からの詳細な要請を見て判断する考えだ。

15日には花角知事と東電の小早川智明社長が面会する。新年のあいさつとしているが、汚泥問題に関しても触れるとみられる。処分時期や費用負担など不透明な面も多く、最終的な解決に向け今後東電と県側の協議が本格化しそうだ。

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