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長期政権の何が問題なのか(大機小機)

第2次安倍晋三政権が発足から昨年末で6年がたち7年目に入った。第1次政権とあわせた首相の在任期間は今年8月に佐藤栄作首相を抜き戦後最長に、11月には桂太郎首相を上回る歴代最長になるという。

長期政権には賛否両論がある。肯定論はかつて首相が1年ごとに交代した時代の反省に立ったものだ。トップがころころ代わって政治が安定しなければ経済改革も進まない。国際会議でも毎年最初からあいさつしなければならず、名前も顔も覚えてもらえない。

政治の安定や外交を考えたら国家指導者は長くつとめたほうがよいというのが長期政権肯定論だ。

一方で否定的な意見は長期政権の弊害に目を向けたものだ。首相の在任が長くなると誰も首相に逆らえなくなり、官僚などの忖度(そんたく)も激しくなり、自由闊達な政策論議ができなくなるという見方だ。

安倍政権の場合、主要閣僚の多くも在任期間が長く、世代交代が進まないという不満もあるのだろう。

長期政権の是非論は「こちら立てればあちら立たず」という面もあるが、もうひとつ、重要な問いかけもある。6年が本当に長期政権かということだ。

日米欧主要7カ国では安倍首相は在任期間がドイツのメルケル首相に次ぐ2番目になったが、メルケル氏の在任期間は13年を超える。トランプ米大統領は約2年たったところだが前任のオバマ氏、その前のブッシュ、クリントン氏は2期8年を全うした。米大統領は8年が標準、再選できずに4年で終われば短命だ。

英国も首相在任11年のサッチャー氏や10年のブレア氏は別格としても、メージャー氏は約7年、欧州連合(EU)離脱の国民投票で挫折したキャメロン前首相は約6年つとめた。仏大統領も任期は最短で5年だ。

民主主義体制ではない中国やロシアで独裁的な長期政権が続くのは当然だが、民主主義国家でもトップが頻繁に代わるのは財政危機に見舞われたイタリアなど一部だ。世界標準からみれば6年は必ずしも長期政権とはいえないのだ。

無論、政権を長く続けることが目的化するのは良くない。安定政権で何をなし遂げるかが重要だ。ただ、長期政権が問題なら選挙で決着をつけるのが民主主義。だからこそ選挙での一票が重要なのだ。

(琴線)

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