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何のための五輪? 数字合わせでなく本質の議論を
編集委員 北川和徳

2019/1/9 2:00
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2020年東京五輪・パラリンピックの最新版の予算が18年末に発表された。大会組織委員会と東京都、国で総額1兆3500億円とする開催経費はこれまでの数字と変わらない。組織委と都が各6000億円、国が1500億円の枠組みも同じだ。

この金額をとやかく論じても意味はないと思う。これは大会に直接関係する支出で、大会に関連した支出とは別だという。その線引きは曖昧なままだ。

例えば、大会後もレガシーとして活用する施設などは開催経費に入らないそうだ。その理屈で仮設ではない会場の改修や会場へのアクセス整備などの費用はこの数字に含まれない。ところが、新国立競技場など新設会場の建設費は計上されている。大会との関係が明らかすぎて、世間の納得が得られないからだろう。

11月、ANOCの総会に臨む(左から)JOCの竹田恒和会長、IOCのバッハ会長、安倍首相ら=共同

11月、ANOCの総会に臨む(左から)JOCの竹田恒和会長、IOCのバッハ会長、安倍首相ら=共同

このやり方なら、暑さ対策や警備強化などで新たな設備が必要になっても、大会後も利用するという理由さえ付ければ、都や国の関連の支出に潜り込ませてしまうことが可能になる。

こうやって表向きの経費にこだわるばかりに、本質的な問題が置き去りになっている。

何のために五輪を開催するのか。五輪のために使う資金を東京や日本を持続可能な社会に変革するための投資として理解を求めるなら、そのお金がそれぞれ何のために使われ、どんな効果を生み出すかを具体的に明らかにすることが不可欠だ。

東京大会ではメダルに使う金銀銅を、廃棄する携帯電話など「都市鉱山」からリサイクルする計画が進んでいる。全国規模での携帯など小型家電の回収や金属の取り出しなどの経費をどこがどう負担するのか分からないが、現状では普通に調達する方が手間もかからず安あがりだろう。

それでももったいないとは思わない。世界有数の埋蔵量を持つ日本の都市鉱山をフル活用するシステムがこれをきっかけに整えば、その価値は計り知れない。

無駄遣いばかりではなく、東京大会があるからこそ進められる、将来につながる取り組みだってあるはずだ。組織委も都も国も、数字の帳尻を合わせることではなく、説明することにもっと力を注いでほしい。

(20年東京五輪まであと562日)

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