鶏卵15年ぶり安値 供給増で生産抑制の可能性も

2019/1/7 18:15
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鶏卵の卸値が15年ぶりの安値でスタートした。7日の東京市場の取引価格は18年の初値に比べ3割安となった。鶏の飼育数の増加で卵の生産が急増している。安値を受け、2年連続で生産抑制事業が発動される可能性も出てきた。

しばらくは安値が続くとの見方も多い

しばらくは安値が続くとの見方も多い

鶏卵相場の指標となるJA全農たまご(東京・千代田)の取引価格は東京地区のMサイズが1キロあたり100円。18年12月末に比べて5割安となり、2004年以来の安値をつけている。

鶏卵卸の松本米穀精麦(埼玉県熊谷市)の松本邦義社長は「需要を上回る供給が続いている」と話す。孵卵(ふらん)業者などでつくる日本種鶏孵卵協会(東京・中央)によると、18年11月時点で採卵用メスの出荷・餌付け羽数は878万1000羽と前年同月を1.8%上回る。

ここ数年は需要が好調で生産意欲が刺激され「生産者の大規模化が進んだ」(大手鶏卵卸)。例年、冬になると流行する鳥インフルエンザが約2年間発生していないのも影響している。

冬場の鍋物向け需要も出てきたが「供給過剰が一向に解消されない」(都内の鶏卵問屋)。年末年始に小売店が休業すると、鶏卵は凍結して菓子や調味料など加工品向けの販売が中心になるが「今年はどこの加工メーカーも在庫が潤沢で新規の購入がほとんどなかった」(大手鶏卵卸)との声もある。

安値を受け、生産抑制事業が発動される可能性も出てきた。東京と大阪の市場の卸値から算出した標準取引価格が需給対策の目安(現在は1キロあたり163円)を下回ると発動となる。

鶏を入れ替える場合、通常は洗浄作業などで鶏舎を20日前後空にするが、抑制事業では60日以上空けた生産者に国が補助金を出す。農林水産省の鶏卵生産者経営安定対策事業の一つで実施主体は日本養鶏協会(東京・中央)。例年相場が急落する1月を除く2~12月が実施の対象となっており「2月1日から生産抑制事業が発動される可能性がある」(日本養鶏協会)という。

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