米補佐官、シリア撤収に条件 トルコにクルド人保護要請
【カイロ=飛田雅則】ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は6日、訪問先のイスラエルで記者団に「トルコがクルド人勢力を攻撃しないと約束しなければ、米軍はシリアから撤退しない」と語った。トランプ大統領が2018年12月にシリア完全撤収を表明した後、撤収時期を「早期に」から「ゆっくりと」と修正してきたが、新たな条件を加えた形だ。
トルコ大統領府報道官は6日「トルコがクルド人を標的にしているとの主張はばかげている」との声明を出し、テロ組織との戦いと混同すべきではないと反論した。
米軍はシリアのクルド人勢力と協力し、過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討を続けてきた。米軍が撤収すればトルコがクルド人勢力を攻撃するとして撤収見直しを求める声が出ていた。
シリアではイランが傘下の民兵組織を展開する。イスラエルは米軍撤収を懸念しており、ボルトン氏は同盟国イスラエルに配慮した面もある。