トランプ氏、政府閉鎖「何年でも」 壁建設を優先
【ワシントン=鳳山太成】米連邦予算の一部失効で政府機関の一部閉鎖が続いている問題で、トランプ大統領は4日、「国境安全の問題が解決するまで政府を再開しない」と述べ、「国境の壁」建設費の予算計上を優先させる方針を表明した。今後数日間で解決を望むとしながらも「何カ月でも何年でも閉鎖する覚悟がある」と強調し、議会承認なしで建設を強行する手段にも言及した。

トランプ氏は4日、ホワイトハウスで野党・民主党の議会指導部と協議した後に記者会見した。トランプ氏は「生産的な協議ができた」と主張したが、与野党で妥協策を見いだせなかった。週末も引き続き交渉する。
トランプ氏は「国家の非常事態」を宣言して政府内の予算を活用し、議会の承認を得ずに壁建設費を手当てする方策について「検討している」と言及した。壁の建設費は新しい貿易協定「USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)」で米国に雇用が戻ってくることなどを通じて「メキシコが払う」との持論を展開した。
民主党は3日、下院で壁建設費を含まないつなぎ予算案を通したが、トランプ氏は署名に拒否する構えで、政府閉鎖解除のメドは立っていない。