2019年5月23日(木)

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成長続ける八村塁 研ぎ澄ます勝利への嗅覚(上)
スポーツライター 丹羽政善

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2019/1/7 6:30
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優勝記者会見を終え、アリーナ北側の出口から駐車場へ向かって歩き出したバスケットボール男子の全米大学体育協会(NCAA)1部、ゴンザガ大の八村塁に、サインペンを手にした子どもたちが寄っていった。

立ち止まった八村は一人ひとりのTシャツにペンを走らせていたが、最後、着ていた優勝の記念Tシャツを脱ぐと、一人の子どもに手渡す。上半身裸のままバスに向かうその大きな背を子どもたちが、あぜんとした表情で見上げていた。

北の空――カパルアの街を覆うように、虹がかかっていた。

マウイ招待選手権でMVP

2018年11月21日、8校が参加し、米ハワイ州のマウイ島ラハイナで行われた「マウイ招待選手権」の決勝でゴンザガ大が全米ランキング1位のデューク大を決勝で破り、八村が大会最優秀選手(MVP)に選ばれた。

マウイ招待選手権とは例年、感謝祭直前に行われ、今回で35度目を迎えた伝統ある大会。起源は1982年まで遡り、その年の12月、全米1位のバージニア大が日本で試合を行った後、米国本土に戻る途中でハワイに立ち寄ると、NCAAにも属していなかった地元のシャミネイド大と親善試合を行ったと記録に残る。

マウイ招待選手権が行われるアリーナは古き良き時代のハワイの面影を残す=USA TODAY

マウイ招待選手権が行われるアリーナは古き良き時代のハワイの面影を残す=USA TODAY

レベルでいえば、プロとアマチュアほどの差があるとみられていたが、シャミネイド大がまさかの番狂わせ。後日、バージニア大のテリー・ホランドヘッドコーチが、シャミネイド大のマイク・バスコンセロス氏というアスレチック・ディレクターに、「ハワイでトーナメントを開催してはどうか」と提案したという。

その2年後に第1回大会が行われると、87年からかつてハワイ王国の首都があったマウイ島ラハイナに舞台を移し、最大収容人数わずか2400人という古き良き時代のハワイの面影を残すアリーナで、ここまで歴史が積み重ねられてきた。

そんな大会に18年はデューク大(1位)、ゴンザガ大(3位)のほか、オーバーン大(8位、いずれも当時)など、全米トップ10に名を連ねる3校が参加。毎年11月になると、同様のミニトーナメントがいくつか開催されるが、今回の注目度は群を抜いて高かった。

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