2019年1月20日(日)

アップル、中国で逆風 スマホ部品企業にも打撃

エレクトロニクス
中国・台湾
北米
2019/1/4 1:30
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米アップルは2日、2018年10~12月期の売上高を下方修正した。世界最大のスマートフォン(スマホ)市場の中国での販売減が響いた。高級機種が中心のアップルの中国市場での苦戦は、色濃くなってきた中国の景気減速を市場関係者に改めて意識させることになった。今後は部品や設備の供給を担う日本やアジアの企業への影響にも、関心が集まりそうだ。

アップルは売り上げ全体の約6割を占めるスマホ「iPhone」が振るわなかった(写真は最新型のXR)

3日の米株式市場でアップル株は取引開始後に一時、前日終値比で10%下げた。2日の発表内容は18年10~12月期の売上高が当初見通しを6~10%下回る840億ドル(約9兆円)になったとするもの。慎重な見通しを立てる同社の下方修正は異例だ。売り上げの約6割を占めるスマホ「iPhone」が最新機種の「XR」を中心に振るわなかった。

ティム・クック最高経営責任者(CEO)は投資家向けの声明で「新興国での一定の厳しさは予測していたが、中華圏(中国と香港、台湾)は経済減速の規模感を想定できなかった」と釈明した。

中国のスマホ市場の減速自体は、17年から続いている。米調査会社のIDCによると中国のスマホ出荷台数は通年で17年に初めて減少し、18年7~9月(前年同期比10.2%減)まで6四半期連続で前年割れ。もともと飽和感があった。

市場の縮小に加え、アップルが景気の影響をより強く受けた可能性もある。XR(128ギガバイト)の中国での価格は6999元(約10万9千円)。華為技術(ファーウェイ)など中国企業の最新機種は3000~4000元台から購入できる。消費者の財布のひもが固くなり「競争力が落ちている」(台湾の電子機器大手幹部)との指摘が聞かれ、実際にシェアも低下傾向だった。

中国での苦戦に加え先進国での買い替えが滞るなどアップル固有の理由も見え隠れするが、クックCEOは投資家向けのメッセージで中国の景気要因を強調。景気減速の要因に米中の緊張を挙げ「最初は金融市場への不透明感だったが、消費者にも影響が出てきた」と説明した。中国景気に警戒感を強めていた市場はこれに反応した。

スマホ市場とアップルの減速は、部品や設備を供給してきた日本やアジアの企業にとって打撃だ。台湾では3日、関係する企業の株価が軒並み下げた。iPhoneのケースを手掛ける可成科技(キャッチャー・テクノロジー)は約6%安となり、組み立ての台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業も一時、約2%安になった。

既に日本企業への影響も出ている。経営再建中のジャパンディスプレイは売上高の過半をアップル向けが占め、XRに液晶パネルを供給。同社は18年11月、「モバイルの振れ幅を慎重に見極める」(月崎義幸社長)と、19年3月期の売上高見通しを引き下げた。

スマホの売れ行きは、本体の加工に使う日本製の工作機械の需要も左右する。日本工作機械工業会(東京・港)によると、スマホなど電気・精密向けで中国からの18年11月の受注額は、前年同月比90.6%減だった。

18年に一時1兆ドルを超えたアップル株の時価総額は年末時点で約7500億ドルとピークから2割以上減った。時価総額が世界最大規模のアップル株は米欧の公的年金からヘッジファンドまで多くの投資家が保有、株価の下落は運用成績の悪化に直結する。世界景気の減速懸念も強まるなか、投資マネーのさらなるリスクオフを招く可能性もある。(シリコンバレー=中西豊紀、白石武志、広州=川上尚志)

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