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「中華圏の景気低迷、予想以上」アップルCEO書簡要旨

アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)による投資家向け書簡の要旨は以下の通り。
アップルのティム・クックCEO(2018年9月)=ロイター

2019年第1四半期(10~12月期)の業績予想を修正しました。売上高は約840億ドルとなり、当初の予想を下回ります。売上高総利益率は約38%、営業費用は87億ドルです。

60日ほど前に10~12月期の業績予想を話したとき、10~12月期はマクロ経済とアップル固有の要因の両方の影響を受けることが分かっていました。試算に基づき、前年同期比でわずかな増収になるだろうと予想しました。(業績予想のベースとなった)4つの要素について説明します。

第1にiPhoneの発売時期が異なるため、前年比での影響を受けることがわかっていました。今年の最上位モデルである「XS」と「XS Max」は2018年7~9月期に出荷が始まりました。一方、「X」は17年10~12月期に出荷が始まりました。比較は難しくなりました。

第2にドル高が為替の逆風を生み出すことを認識しており、これが当社の収益の成長を前年比で約200ベーシスポイント引き下げました。

第3に10~12月期に前例のない数の新製品が出ることがわかっており、一部製品の供給制約が生じると予測していました。「アップルウオッチ」や「iPad Pro」などです。

第4に一部の新興市場では景気の低迷が予想されていました。

この点について、我々が予想していたよりもはるかに大きな影響があることがわかりました。さらに、これらとその他の要因によって、iPhoneの買い替えが予想よりも少なくなりました。最後に述べた2つの点から、当社は業績予想を下方修正しました。この2つについてもう少し詳しく説明します。

新興国市場の課題

主要新興市場ではいくつかの課題を予想していましたが、特に中華圏での景気減速の大きさを予測することができませんでした。事実、当社の予想に対する未達の大部分、そして当社の前年比で収入減の100%以上は、iPhoneとMac、そしてiPadを通じて中華圏で発生しました。

中国の経済は18年後半に減速し始めました。政府報告によると、9月期の国内総生産(GDP)成長率は過去25年間で2番目に低くなりました。当社は、中国の経済環境は米国との貿易緊張の高まりによってさらなる影響を受けると考えています。不確実性の高まりが金融市場を圧迫するなか、その影響は消費者にも及ぶように見え、中国の小売店への流通量は四半期が進むにつれて減少しました。市場データは、中華圏のスマートフォン市場の縮小が特に激しかったことを示しています。

これらの課題にもかかわらず、当社は中国での事業には明るい未来があると考えています。中国の「iOS」開発者のコミュニティは、世界で最も革新的、創造的、そして活気に満ちています。当社の製品は、非常に高いレベルのエンゲージメントと満足度で、顧客の間で強い支持を得ています。アップルは中国市場に参加できることを誇りに思います。

iPhone

とくに中華圏で、iPhoneの売り上げが予想を下回ったことが、売り上げ見通しの引き下げ、また前年同期比での売り上げ減の要因です。実際にiPhone以外のカテゴリー(サービス、Mac、iPadなど)を合わせた売上高は前年同期比で約19%伸びています。iPhoneの売上高の減少の大部分は中華圏とその他の新興市場が占めましたが、一部の先進国市場での買い替え需要も予想したほど強くはありませんでした。ドル高を反映した価格の上昇や、電池交換価格の大幅な引き下げも(消費者が新機種に買い替えを控えることに)影響しました。

多くの前向きな結果

業績予想を修正するのは残念ですが、多くの分野で強さも見せています。

稼働台数は過去12カ月間で1億台以上増えました。サービス事業は10~12月期に108億ドル以上の売り上げとなり、すべての地域で過去最高となっています。アップルウオッチなどウエアラブル端末の売り上げは前年同期比で約50%増加しました。また米国、カナダ、ドイツ、イタリア、スペイン、オランダ、韓国などでは過去最高の売り上げを記録する見込みです。

この先を見据えて

収益性とキャッシュフローの創出力は堅調で、10~12月期は1300億ドルのネットキャッシュとなる見込みです。私たちはこれまで同様に、ビジネスの根本的な強さに自信を持っています。マクロ経済の状況を変えることはできませんが、店舗でのiPhoneの交換など、結果を改善するための取り組みを加速しています。

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