2019年1月19日(土)

円、年始の急騰で一時104円台 「AI」「薄商い」が拍車

2019/1/3 10:00
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3日の外国為替市場で円相場が急騰した。対ドル相場は一時1ドル=104円台と、昨年3月下旬以来約9カ月ぶりの円高水準を付けた。早朝のオセアニア市場では米アップルの業績下方修正などの悪材料をきっかけにリスク回避の円買いが膨らんだ。これに続くアジア市場が年始で取引参加者が少なく、流動性が極めて低かったところに「人工知能(AI)による円買い」が加わったことが異例の急伸につながったとみられている。

円買いが加速したのは、3日の午前7時半すぎ。それまで1ドル=108円台後半で推移していた円相場は、わずか1分程度の間に約4円(3.9%)も急騰した。

2日のニューヨーク市場ではじりじりとした円高・ドル安が進んでいた。そこに加えて米アップルが同日、2018年10~12月期の売上高が当初予想よりも5~10%低い840億ドル(約9兆1600億円)にとどまる見込みだと発表。これをきっかけに時間外取引でハイテク株などに株安が広がり、市場では投資家心理の悪化から、相対的に低リスク通貨とされる円を買う動きが進んでいた。

ところがNY市場では108円台にとどまっていた円相場は、アジア市場の時間帯に入ると一気に急騰した。主犯とみられるのが「薄商いとAI」(クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司氏)だ。

年始で祝日だった東京市場では、輸出入企業などの実需企業や生命保険や年金基金といった機関投資家も休みとなり、取引参加者は極めて少なかった。このタイミングでNY市場での円高の流れを受けて、AIのアルゴリズム売買が自動的に円買い注文を発動。「これに円売りで応じる取引参加者がいなかったことで、円高に歯止めがかからなかった」(斎藤氏)という。

外為証拠金(FX)取引を手掛ける日本の個人投資家によるロスカット(損失確定売り)も円高の流れに拍車をかけた可能性がある。

急激な上昇の後、円は足元で107円台半ばまで円安方向に切り返した。ただ、東京市場は明日まで取引参加者が少ない状況に変わりはなく、流動性が乏しい中で円の乱高下が続く可能性もある。

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