2019年2月17日(日)

独メルケル氏「国際協調に圧力」 自国第一主義けん制
新年に向け挨拶

ドイツ政局
ヨーロッパ
2018/12/31 9:15
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【ベルリン=石川潤】ドイツのメルケル首相は31日、新年に向けた挨拶のなかで「国際協力の確かさが圧力にさらされている」と懸念を表明した。他国の利益にも配慮することが結果的に問題解決の最善の道につながるというのが「2度の世界大戦の教訓」だったはずなのに、こうした考え方は「もはやすべての人に共有されているわけではない」と述べた。

メルケル氏にとって2018年は厳しい年になった=AP

メルケル氏は世界が抱える「決定的な問題」として地球温暖化、移民問題、テロとの戦いを挙げた。温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定からの離脱を表明するなど、自国第一主義を掲げる米トランプ政権をけん制したものとみられる。ドイツはこうした状況のなかで「より責任を引き受けていかなければならない」と強調した。

ちょうど100年前の第1次大戦終了後、米国は孤立主義への道をたどり、国際協調の枠組みが十分機能しないまま、世界は第2次大戦に突き進んだ。各国が自国の利益を露骨に主張しあう現在の状況が、当時に似ているとの見方が欧州で広がっている。

2018年はメルケル氏にとって、与党の支持率の低下が止まらなくなり、党首退任に追い込まれるという厳しい年になった。メルケル氏は連立協議が難航し、政権発足後も内輪もめが続いたことについて「多くの人が政府に対して不満を抱いていたことは分かっている」と指摘。そのうえで21年の任期終了後、政治の表舞台から退く考えを改めて表明した。

極右やポピュリズム(大衆迎合主義)が台頭するなか、19年5月には欧州議会選挙が控えている。メルケル氏は欧州連合(EU)が将来も自由や繁栄のためのプロジェクトであるために、有権者に選挙に参加するように呼び掛けた。英国のEU離脱については、離脱後も「緊密な協力関係を維持したい」と語った。

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