築地移転、災害…来年こそ良い年に 平成最後の年の瀬
ドキュメント日本

2018/12/30 18:09
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2018年も人々の暮らしに大きな影響を与える出来事が相次いだ。長く日本の台所と言われてきた築地市場(東京・中央)は場外を残して豊洲(同・江東)に移転。自然災害は大きな爪痕を残し、医学部入試不正は医師志願者に不安を与えた。平成を送る年の瀬に関係者はそれぞれの1年を振り返り、来る年へ祈りを込めた。

●築地市場

正月の食材などを買い求める人たちでにぎわう築地場外市場(30日、東京都中央区)

正月の食材などを買い求める人たちでにぎわう築地場外市場(30日、東京都中央区)

年の瀬を迎えた30日、あちこちに「おせち」ののぼりが立ち、イクラやカニが所狭しと並ぶ築地場外市場。威勢の良い掛け声が飛び交った。

だが、中心部を離れると、にぎわいは例年に及ばない。

正月の食材などを買い求める人たちでにぎわう築地場外市場(30日、東京都中央区)

正月の食材などを買い求める人たちでにぎわう築地場外市場(30日、東京都中央区)

練り製品店を営む栗原武英さん(74)は「毎年暮れには必ず店をのぞきにきてくれた常連さんの姿がほとんどない。客足は例年の10分の1ぐらいかな……」。

築地市場は10月、83年の歴史に幕を閉じ、「場内」と呼ばれた東京の中央卸売市場が豊洲市場に移転。隣接する「場外」は残ったが、集客に大きな影響が出ている。

創業150年を超える海苔(のり)店の野口恒生さん(49)は「かつて日本橋から築地に市場が移転してきた時も苦労があったと思う。手探りが続くけれど来年は笑顔で過ごせたら」と話した。

●被災地

9月の北海道地震で震度7を観測し、36人の犠牲者が出た厚真町。この日は午前中に小雪がちらつき、木々が押し流されて地肌があらわになった山腹に数センチの雪が積もった。「被災後は悔しさと喪失感でいっぱいだった」。同町富里地区でコメやジャガイモなどを栽培する農業、伊部義之さん(50)は言葉少なに振り返る。

北海道厚真町は地震で36人の犠牲者を出した

北海道厚真町は地震で36人の犠牲者を出した

30年来の農業仲間や知人を失い、所有する水田には土石流が広範囲にわたって流れ込んだ。新品のコメ乾燥機を収納した倉庫や用水路が被害を受けた。来春の雪解けを待たなければ土砂の撤去もできない。来年はコメ作りを断念し、麦の一種、エンバクなどの転作でしのぐ。伊部さんは「身動きが取れない冬眠状態が続くが、来年は生活を取り戻す『目覚めの時期』にできたら」と誓った。

医学部受験生

複数の大学医学部入試で相次ぎ不正が発覚した2018年。医者を志す多くの受験生の間に大きな不信感が広がった。年が明ければ入試シーズン。この年の瀬も、多くの受験生が予備校や自習室に通い、追い込みをかけた。

「入試不正の影響で志望校の倍率が上がる可能性を考えると、勉強の手が止まってしまう」。年末休業中の予備校から都内のオフィスビル内のフリースペースに場所を変えて自習を続ける男子浪人生(19)は不安を打ち明ける。

東京医科大も受験する予定だったが、不正問題を受けて取りやめた。特定の受験生を優遇していた入試不正は「許せないし、信じられない」。でも、医者になるのは幼い頃からの夢だという。「余計なことを考えず、自分が今できることに集中しなければ」と話していた。

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