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ラグビーW杯に集う世界のスター 妙技競い合う

 屈強なFWが果敢な突進で敵陣を突破する。バックスは正確無比なキックや、快足を生かして縦横無尽に走り回る。観客をうならせるワールドカップ(W杯)に集う世界のスターたち。4年に1度の大舞台で自らの妙技を競い合う。(谷口誠)

バレット、攻撃的SO 王国の要

W杯日本大会は「ボーデン・バレットの大会」になるのかもしれない。3連覇を目指すニュージーランド代表の攻撃的SOはキックを効果的に使うゲームコントロールや、WTB並みの走力で知られる。2016年、17年と世界最優秀選手にも選ばれた。

W杯日本大会は「ボーデン・バレットの大会」になるのかもしれない=共同

昨年10月、オーストラリアとの定期戦ブレディスロー杯で来日、その妙技を披露した。前半、自陣中盤から相手裏のスペースへ蹴り込んだボールは22メートルライン手前で測ったようにストップ。処理を焦った豪州選手のノックオンを引き出した。

後半、スクラムからのボールを逆サイドにいたWTBへパス。後ろから回り込んで右手1本でボールを再び受け、快足を飛ばしてトライ。しかもニコニコと笑いながらだ。「トライは計画通り。新しいプレーに挑んでいて、実行できてよかった」

代表デビューは12年。15年イングランド大会で先発は1試合だけだったが6試合に出場。大会後に世界的スターのダン・カーターが代表から退くと10番を受け継ぎ、不動のものとした。

玉にきずといえるのが、ゴールキックに波があることか。昨年9月、2点差で競り負けた南アフリカ戦で6回中2回しか決められず、戦犯の責めを負った。逆に見れば、王国の浮沈の鍵は、27歳のSOが一手に握っているともいえる。

8人きょうだいの次男で、弟2人も代表。昨年11月のイタリア戦では3人そろって先発した。「(選手だった)父が楽しんでプレーしていた。兄弟でたくさん練習して、何よりもラグビーが楽しかった」。日本で再び笑顔のスーパープレーを見せる。

レイドロー、正確無比 試合操る

レイドローは前回大会の日本戦でも活躍した(2018年11月の南アとの試合前)=ロイター

狂いのない正確なキックと冷静なゲームメーク。そして端正な顔つき。この男の名前を聞けば、日本が唯一黒星を喫した15年W杯の記憶がよみがえってくる人は多いだろう。スコットランドのSHとしてチームを統率するグレイグ・レイドロー。再び1次リーグで対戦する今年のW杯でも日本に立ちはだかる厄介な相手だ。

フランスのチームに所属した昨季は脚の故障に泣いて長期離脱を余儀なくされたが、昨年2月の欧州6カ国対抗のフランス戦で約1年ぶりに先発復帰して22得点。精度の高いキックはさび付いていなかった。昨秋のテストマッチでも南アフリカ戦など3試合に先発し、33歳はいまだ健在だ。

おじのロイは1980年代に活躍し、代表主将を務めた有名なSH。自身も13年から主将を務める。ボールを的確に供給して試合をコントロールする能力はまさに世界トップクラス。4位だった91年大会以降、4強の壁を破れていないスコットランドの司令塔が担う役目は大きい。

コリシ、どう猛さと俊敏さ

小学校の授業料が払えないほど貧しい家庭に育った少年は、映画のようなサクセスストーリーを歩んできた。アパルトヘイト(人種隔離)撤廃から20年以上たった今も人種間の問題が残る南アフリカでシヤ・コリシは昨年5月、黒人として初めてラグビー代表の主将に選ばれた。

同国ポートエリザベスの貧困地区出身。父や祖父がラグビー経験者だった影響で8歳から競技を始めた。12歳でラグビーの名門学校に奨学金付きでスカウトされるとエリート街道へ。高校代表、20歳以下代表と順調にステップアップ。幼い頃から夢見てきたスーパーラグビーのストーマーズ入団も果たした。

188センチ、102キロ。攻守にわたって激しいプレーが持ち味だ。追っ手を振り切るスピードやパススキルも一級品。どう猛さと俊敏さを兼ね備える。

今も故郷へ衣服やお金を送る27歳は、「貧しい子どもたちの希望になりたい」と願う。同国ラグビー協会は19年W杯までに非白人選手の割合を5割まで上げる目標を掲げる。先頭に立つコリシの活躍は、そのまま母国の光となる。

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