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ラグビーW杯8強へ 新たな「日本式」模索

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2019/1/1 6:30
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テストマッチ3試合を戦った昨秋。練習後の空き時間に選手がパソコンの前に座り、問題点を議論する姿が恒例となった。選手が相手の全メンバーを分析し、弱点を書いて張り出す取り組みも行った。工夫が実ったのが、ジョーンズ氏率いるイングランドとの対戦だ。

世界ランキング4位の強豪に敗れはしたが、日本がテンポの速い攻めで押し込む時間は長かった。原動力はタックル後の密集戦での優位にあった。2週間前のニュージーランド(NZ)戦はここで完敗。ボールに絡む相手のはがし方などを選手自身も考え、見事に修正した。HCが与えた余白に選手たちが思い思いの色を塗り、1枚の大きな絵に仕立てつつある。

培われた主体性は、もう一つのハードルを越える力にもなる。それは模倣からの卒業といえる。

本番まで残り9カ月、NZ流と日本式を合わせた最適解を探す作業が始まる

本番まで残り9カ月、NZ流と日本式を合わせた最適解を探す作業が始まる

ジョセフHCは戦術も転換した。パスを多用してボールの保持時間を延ばし、後半の体力勝負に持ち込むのが従来。今は蹴り合いを増やして陣形が乱れた状態からの逆襲を狙う。個の力に優れたNZの方向性を同国出身のHCが輸入した。

日本の成熟度も上がってきたが、空中戦での体格差などは最後まで残る。HCも再認識しつつあるようだ。昨年11月末、W杯で対戦するアイルランドとスコットランドを念頭に語った。「体が大きく経験値のある強豪国には(キックを減らし)ボールの保持率を高めることが大事」。方向性の微修正を示唆した。

本番まで残り9カ月。NZ流と従来の日本式を合わせた最適解を探す作業が始まる。HCだけで見つけられるものではない。30人強の選手が頭を悩ませ、日本のスポーツ界の"定説"を破ることで8強への道は開ける。

(谷口誠)

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