バングラデシュ総選挙、与党一色で投票始まる
野党支持者らの相次ぐ逮捕に批判も

2018/12/30 12:57
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【ダッカ=黒沼勇史】バングラデシュで30日午前8時(日本時間同11時)、5年に1度の総選挙(定数350議席)の投票が始まった。選挙戦期間中に野党支持者らの逮捕が相次ぎ、首都ダッカの投票所にはハシナ首相率いる与党アワミ連盟(AL)の支持者ばかりが並んだ。公平性に疑問符が付くなか、ハシナ首相が3期連続で政権を握るとの見方が多い。

バングラデシュの首都ダッカの投票所前には30日、与党候補者のポスターの下、与党支持の有権者らが並んでいた

バングラデシュの首都ダッカの投票所前には30日、与党候補者のポスターの下、与党支持の有権者らが並んでいた

投票所となったダッカの高校前には、投票開始時点で160人の有権者が列をなしていた。一時間前から先頭で待ったムスリム・シッダさん(56)は「ALに投票する」と話し、胸に付けたバッジを指さした。ALのシンボルである小舟の印と、この小選挙区の候補者の顔写真が写っていた。後ろに続く人々の多くも同じバッジを胸にし「ALだ」と口をそろえた。

野党連合によると「過去1カ月半で1万5千人以上の野党候補・支持者らが不当に逮捕された」。警察側は暴動容疑などが理由だと、逮捕の正当性を主張する。ALの党関係者は「暴力は与野党双方が総選挙のたびにやる恒例行事だ」として、与党による公権力を用いた一方的な弾圧ではないと強調した。

選挙前のバングラ議会では、ALが8割の議席を握り、一党支配に近い構図だ。最大野党バングラデシュ民族主義党(BNP)などが前回選挙をボイコットしたことが主因だ。今回はBNPを含め10以上の政党が参加するが、BNPのジア党首が汚職罪で収監されているうえ「野党はポスターの張り出しも許されなかった」(ダッカ在住の野党支持の大学教授)。

ある企業経営者は「公正に投票を実施すれば、BNPが議席の50%を取り、ALは30%にとどまる」と話す。選挙戦期間中の暴力や不当逮捕で「ALは庶民の多くの支持を失った」からだ。ただ「警察だけでなく選挙管理委員会もハシナ首相の側に付いており、ALは何らかの方法で議席の70%を取る」と予想する。

1971年の独立直後に外相や石油相を歴任し、90年代までALに属していたカマル・フセイン氏は、いまは野党連合に加わる。29日にダッカで開いた外国人記者向けの会見で「人々(野党支持者)が投票を妨げられたり、一方的な投票(与党支持)を強要されたりすれば、選挙無効や再選挙の要求など、あらゆる選択肢を視野に入れている」と話した。

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