星の周りに傾き違う円盤 理研など、惑星系形成解明へ
理化学研究所と千葉大学などの研究グループは、誕生したばかりの星の周りに回転軸のずれたガスやちりでできた円盤が形成されている様子を初めて観察した。太陽系のように恒星の周りを惑星が回る「惑星系」の形成を解明する手がかりになるという。
チリにある国際協力で運営している電波天文台「アルマ望遠鏡」で、地球から450光年離れた誕生して間もない恒星を観測した。周辺のガスやちりの状況を詳しく調べると、恒星に近い内側と外側に、回転軸の異なった円盤ができていた。
宇宙空間にもともと漂うガスの分布にむらがあり、恒星の重力で寄せ集められる際に円盤に傾きが生じるとみている。この円盤内では惑星の形成も始まっている可能性があるという。
宇宙には惑星をもつ恒星が数多く存在する。従来、恒星の周りに傾きのない円盤ができ、その中で惑星が形成されると考えられてきた。近年、多くある惑星のうちいくつかが同じ角度で傾いた別の軌道を周回する惑星系が見つかっており、惑星系形成の新たな理論の確立が課題になっている。
理研の坂井南美主任研究員は「円盤がもともと傾いていればうまく説明できる」と話す。成果を英科学誌ネイチャー(電子版)に1日発表した。