米大統領補佐官、トルコ・イスラエル訪問へ
【ワシントン=中村亮】ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は28日、2019年1月にトルコとイスラエルを訪問するとツイッターで明らかにした。米軍のシリア撤退を見据えて、同国の安定に向けた方策を協議する。
トルコとの協議では、米軍撤退に向けた工程表や、米軍が駐留してきたシリア北東部の治安維持がテーマになりそうだ。米軍撤退を一気に進めれば過激派組織「イスラム国」(IS)の復活を許すことにもなりかねず、トランプ大統領も「計画的かつ秩序ある撤退をする」と説明している。トランプ氏は米軍撤退後のIS対策は主にトルコが担うと説明している。
イスラエルは、イランが米軍撤退後にシリアでの勢力を拡大すれば安全保障上の脅威になると懸念しており、対応策を協議する。米国務省のパラディーノ副報道官も28日の声明で「シリアでのテロ組織支援を通じてイスラエルを攻撃しようとするイランの意図は明確で受け入れがたい」と非難。「米国はイスラエルの自衛権を完全に支持する」と強調し、軍事協力を深める考えを示した。
ボルトン氏はイランの中東での影響力拡大を阻止するために米軍のシリア駐留継続を訴えてきたが、今回は持論を封印した。26日にはトランプ氏のイラク訪問に同行し、良好な関係をうかがわせた。一方、マティス国防長官はシリア撤退に反対し、20日に辞任を表明した。