英HMVが2度目の経営破綻 デジタル配信に押され
【ロンドン=篠崎健太】音楽・映像ソフト販売大手の英HMVは28日、国際会計事務所のKPMGを管財人に指定したことを明らかにした。事実上の経営破綻に陥った。ストリーミング配信サービスの台頭に押され、路面店の販売不振が極まっていた。2013年にも資金繰りに行き詰まって投資会社に救済されており、2度目の経営破綻となる。

同社によるとクリスマス商戦期もCDやDVDの販売が苦戦し、業績回復のめどが立たなくなった。英国の125店舗は当面営業を続けながら、経営再建に向けて支援企業を探す。
ポール・マクゴーワン会長は声明で「消費者のデジタルサービスへの移行が加速し、過去12カ月間で特にDVD市場が急速に縮小した」と説明した。
HMVは1990年に日本に進出した。競争の激化などを背景に07年、日本事業を手掛けるHMVジャパンを大和証券系の投資会社に売却して撤退した。日本事業は10年にコンビニエンスストア大手ローソンの傘下に入り、直接の関係はなくなっている。