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男子100決勝進出の壁 山県亮太が挑む9秒8
HeatUp東京2020

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2019/1/5 6:30
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 陸上界にとって2019年は勝負のシーズンだ。東京五輪を占う重要な大会となるのが、2年に1度の開催で9月に開幕する世界選手権(ドーハ)。大舞台での決勝進出を目指す国内屈指のスプリンターはコンマ数秒を縮めるために鍛錬を重ね、世界のトップを走るマラソンランナーは人類がまだ見ぬ2時間切りの実現へ挑戦を続ける。

日本短距離陣を先頭に立って引っ張るのが、男子100メートルで日本歴代2位の10秒00を持つ山県亮太(セイコー)だ。18年は日本人に負け知らず、夏のアジア大会では2度目の自己ベストで銅メダルを獲得した。「(コンディションもパフォーマンスも)うまくコントロールが利いた1年だった」と振り返る。

理想の走り、理論で追求

理論派で知られるスプリンターは、常に「自分の走りを自分の言葉で説明する」ことを意識している。レースを客観的に分析し、修正する。理想の走りを追い求める作業は、まるで100メートルという種目を因数分解していくようだ。

「なぜうまく走れたか、なぜケガをしたのか。『なぜ』のレベルを掘り下げていくようにしている。深いところで原因と答えを出し、次に生かせるように練習を頑張る」。わずかなタイム差が勝負を分ける世界。この論理的思考が26歳の成長を支えてきた。

世界選手権や東京五輪の決勝進出に照準を定めた時、指標にするのが「9秒8」というタイムだ。「決勝に進むには準決勝で9秒台を出さないといけない。では(大一番で)9秒台を出せる力を持つ選手はどういう選手か。そう考えたとき、9秒8(の自己ベスト)を持っていないとダメだと思った」

誰もが狙ったレースで力を出し切ることに神経を使うが、100メートルは「100点と言えることが少ない種目」でもある。ならば、8~9割の出来でいかに9秒9を安定して出せるか。重要なのは「再現性」で、平均値を上げること。そうでなければ、風など好条件に恵まれても9秒8は出ないし、海外勢と戦えない。

0秒2、距離にして2メートル前にある9秒8台を「背伸びしても届かない記録ではない」と言い切る。ヒントはアジア大会で見つかった。9秒92で金メダルだった蘇炳添(中国)や2位のオグノデ(カタール)と走る技術は遜色なかったが、「力を出すエンジンが同じレベルになかった」。どれだけ実戦で使える筋肉を細部にまでこだわって鍛えるか。体づくりは今オフのテーマでもある。

山県は今年、世界選手権にピークを合わせるつもりだ

山県は今年、世界選手権にピークを合わせるつもりだ

昨年12月には視察も兼ねて米フロリダ州のIMGアカデミーで10日間の合宿を行い、2月にも再び現地を訪れる予定だ。「ウエートトレーニング場が充実していた。想像していたよりもいいところだった」。心の中では安定を求める自分もいるが、「今の自分のレベルで安定を求めるのは早すぎる」からオフの練習環境を変えることにもためらいはない。「もっと先があると信じているからこそ、チャンスがあるうちに変化すべき時は変化したい」

昨季は調子を徐々に上げる理想的なシーズンを過ごしたが、春の仕上がりが悪かったこともあり、9秒台に届かなかった。今年は早い時期に壁を破り、世界選手権にピークを合わせるつもりだ。「記録を持っているかいないかで余裕度が違う。そういう繊細な部分が五輪など本番にも影響しうるので」。世界最速を決める舞台に立つまでの道程はしっかりと描かれている。

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