2019年1月22日(火)

ユーロ20年、ドルに及ばず 導入時より実効相場も低下

ヨーロッパ
2018/12/30 21:51
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【ブリュッセル=森本学】欧州の単一通貨ユーロが2019年1月1日で導入から20年を迎える。ユーロを育て米国に対抗する巨大な経済圏をつくるのが欧州側の狙いだった。ユーロは決済などで世界第2位の通貨としての地位を固めたが、総合的な実力を示す実質実効為替相場では導入時を100とした場合、11月は92.7に低迷する。世界の外貨準備に占める比率は約2割で、約6割の米ドルに及ばない。基軸通貨である米ドルの背中はなお遠い。

通貨ユーロ導入20年を祝う行事に参加したドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁(3日、ブリュッセル)=ロイター

ユーロの歩みはドルに対抗する通貨としての期待が高まった初めの10年と、リーマン・ショックや「ユーロ崩壊」の可能性も論じられた債務危機の対応に追われた後半10年に分かれる。ユーロの対ドル相場もそれに歩調を合わせて動いてきた。

ユーロは導入直後、米国の金利高を背景に対ドル相場が下落。2000年10月には対ドルで最安値となる1ユーロ=0.82ドル台前半まで値を下げた。01年9月の米同時テロや02年のITバブル崩壊で米国が金融緩和に動くと反発。ドルに代替する通貨としてユーロへの期待も膨らみ、リーマン・ショック直前の08年7月には1ユーロ=1.6ドル台の最高値を記録した。

ところが、世界的な金融危機はユーロ圏で蓄積された不均衡を露呈させた。10年には欧州債務危機が発生し、ユーロの信認を大きく揺るがす事態につながった。

実体経済では、ユーロ圏は13年春以降、プラス成長が続くが、平均の成長率は米国を下回る。金融政策でも米国が利上げを進める一方、欧州中央銀行(ECB)は12月に量的緩和の終了を決めたばかりで、まだ利上げに着手できずにいる。

国際通貨としての重要性はどうか。世界の銀行間決済システムを運営する国際銀行間通信協会(SWIFT、本部ベルギー)によると、11月の世界の決済額に占めるユーロの比率は34.1%に達した。米ドル(39.6%)に迫る勢いで、決済通貨としては米ドルに並ぶ存在になっている。

ただ国際決済銀行(BIS)によると、6月末時点の国境を越える与信(融資と債権の合計)に占めるユーロの比率は29.5%で、米ドル(47.9%)との差は大きい。

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